1971-10-05 第66回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第2号
まず水稲につきましては、七月の中下旬の最低気温は十度を下回るような異常低温、それからその時期に、あわせて日照不足というようなことによりまして、しかも稲の生育にとって一番大事な花粉母細胞の減数分裂の時期にあたりまして、そのため花粉形成に障害を受けて、著しく不稔もみを発生いたしております。
まず水稲につきましては、七月の中下旬の最低気温は十度を下回るような異常低温、それからその時期に、あわせて日照不足というようなことによりまして、しかも稲の生育にとって一番大事な花粉母細胞の減数分裂の時期にあたりまして、そのため花粉形成に障害を受けて、著しく不稔もみを発生いたしております。
この障害型は先ほど大後先生等からお話がありましたように、出穂前の九日、十日ないし十五日前後のいわゆる減数分裂期を控えました中心のときに低温にあうと、花粉母細胞そのものが障害を受けるのであります。こういうことがはつきりしました。従つてそういう障害を受けたものは、いかに開花が旺盛であり、あるいは受粉作用そのものが旺盛でありましても、花粉がすでに死んでいるわけです。
遅延型というのは、天候不順による成育の遅延が原因で出穂、開花が遅れ、やがて秋冷の気候が訪れ、稔実不能になる冷害をいい、障害型というのは生殖生長期に入つて花粉母細胞の分化形成期から減数分裂期にかけての低温によつて、葯壁内面層の異常発育を起し、花粉の性能を失い、不稔粒の増発する型のものでありまして、低温の度合摂氏十五度以下でわずか一時間程度でこの徴候が現れ、あらゆる品種のものを襲うとせられる恐しい型の冷害