2011-02-24 第177回国会 衆議院 予算委員会 第17号
これは、例えばかつての戦争に例えますと、日本はずっと大艦巨砲主義、艦隊決戦を非常に重視して、日露戦争で余りにも見事に勝ったものですから、「坂の上の雲」のあれを今やっておりますが、余りにも見事に勝ち過ぎたために、艦隊決戦、大艦巨砲主義、ずっとそれが支配的であった。
これは、例えばかつての戦争に例えますと、日本はずっと大艦巨砲主義、艦隊決戦を非常に重視して、日露戦争で余りにも見事に勝ったものですから、「坂の上の雲」のあれを今やっておりますが、余りにも見事に勝ち過ぎたために、艦隊決戦、大艦巨砲主義、ずっとそれが支配的であった。
なぜならば、帝国海軍は、日本海大海戦もこれあり、艦隊決戦ということを重視したのであって、商船を護衛するようなのは、それは腐れ士官の捨てどころだ、このように言われた。 しかしながら、戦争を始めるに当たって損耗率というのを計算しなきゃいけない。つまり、南方から本土に向かう船のどれだけが沈められるかというデータがなければ開戦に踏み切れない。そんなデータはどこにもなかった。帝国海軍にもなかった。
また、当時の艦隊決戦最優先主義に固執する戦争指導部は、海上輸送路を護衛する戦略もなく、戦場の海に丸裸同然のまま駆り出されることになったわけであります。 こうした結果、連合軍の徹底した通商破壊作戦によりまして日本商船隊は文字どおり壊滅しました。二千五百三十四隻、八百九十万総トンが沈められ、六万二千名に及ぶ船員が逃げ場のない海で戦没したわけであります。
この点につきましては、かつて日米戦争の際に、やはり海軍の首脳部の中では、アメリカが艦隊決戦をいどんでくるはずはない、連合艦隊が考えている日露戦争における日本海海戦のような事態は生じない、こういう主張をなすった方もいらっしゃいますが、やはりそういう意味で都合のいい事態が起きて、そうしてそれに対応するにはあと陸軍は数個師団ふやせばやれるというふうに言うのは全く非科学的である。
いわゆる、昔日露戦争や太平洋戦争で日本が失敗した艦隊決戦というように、集合して艦隊と艦隊でやるのはなくなってきたので、単に一個師団だという考え方、あるいは一航空師団だという考え方ではとても割り切れない。