1988-03-25 第112回国会 衆議院 本会議 第10号
所得税は、今さら言うまでもなく累進課税であり、名目所得の上昇はたちまち自動的増税につながり、今までどおりの所得税の重圧感を一層強めているのであります。 政府は常に「増税なき財政再建」という言葉を使われてまいりましたが、増税とは新たな税目を設けることによる税収を言うとの論理を展開されてまいりました。
所得税は、今さら言うまでもなく累進課税であり、名目所得の上昇はたちまち自動的増税につながり、今までどおりの所得税の重圧感を一層強めているのであります。 政府は常に「増税なき財政再建」という言葉を使われてまいりましたが、増税とは新たな税目を設けることによる税収を言うとの論理を展開されてまいりました。
本予算案は、課税最低限を据え置くことによって生じた所得税の自動的増税、さらに法人税を中心とした一兆四千億円のかつてない大増税を前提としているのであります。これを福祉切り捨て、大増税予算と呼ばずに何と呼べばよいのでしょうか。不公平税制の是正など本来の財政改革には手を触れず、国民の犠牲を強いる本予算案は、財政再建逆行の予算と言っても過言ではありません。
こういうようないわゆる自然増税、インフレを通ずるところの、貨幣錯覚を通ずるところの自動的増税、公務員の首切り、人件費に対する物価補正を行わないということ、こういうことを以てこの財源に充てている。この歳出の裏付けとしている。これが私はこの補正予算に対して賛成できない第二点であります。
この点については予算委員会、大蔵委員会で大蔵大臣との間に議論が闘わせられたのでありましたが、私は大蔵大臣とは反対に、この自然増收の大部分は物価騰貴による名目的所得増加に基くものであり、従つてこの増收は自然増收というよりむしろ自然増税で或いは物価騰貴に基く自動的増税と見るべきであると思うのであります。