2009-04-22 第171回国会 衆議院 厚生労働委員会 第12号
○高井政府参考人 四事例でございますが、一番目の事例は、七十歳代の女性で、腎性貧血の薬の治験で乳がんが報告されたということでございます。本症例では、担当医からは、治験中に初めて発見された乳がんであるため、因果関係は否定できないと言わざるを得ないと報告されたところでございます。 二番目の事例は、七十代男性で、痴呆症の薬の治験で網膜静脈閉塞が報告されたものでございます。
○高井政府参考人 四事例でございますが、一番目の事例は、七十歳代の女性で、腎性貧血の薬の治験で乳がんが報告されたということでございます。本症例では、担当医からは、治験中に初めて発見された乳がんであるため、因果関係は否定できないと言わざるを得ないと報告されたところでございます。 二番目の事例は、七十代男性で、痴呆症の薬の治験で網膜静脈閉塞が報告されたものでございます。
このイタイイタイ病は、御存じのとおり昭和三十年代の初め、富山県の神通川流域に住む出産経験のある中年以上の婦人を対象として、全身に激しい痛みと骨折を伴う腎性骨軟化症であると言われております。日本四大公害病の一つでもあります。この原因につきましては、地元の萩野医師が、三井金属神岡鉱業所から排出されるカドミウム説を発表いたしました。
そのうちの四名は腎性たん白ではなかろうか、それから三名については起立性のたん白ではなかろうか、こういうような診断をいたしております。しかし、これはその後のフォローによりまして、七名については問題はないというふうになりました。
まず、私の質問の趣旨は、四十三年五月の厚生省見解は、カドミウムを経口摂取すると、つまり、口を通して摂取すると腎臓がやられて腎性の骨軟化症になり、そしてイタイイタイ病になるという見解であるが、これは非常に少数説に学界としてはなっておる。そこに問題があるのじゃないかと私は思う。
その後、いまどうなっておるかということでございますが、現在の段階で腎から骨へということの腎性骨軟化症というところにカドミウムがどれほどかむかというところについて、いろいろの考え方があることは事実でございます。
腎臓から骨へという問題は、腎性骨軟化症というあくまでも仮説そのもので最もよく説明がつくということでこれを踏み切られたわけでございます。そういうことで、疫学の問題はイタイイタイ病を確定する途上におきまして一つの手段としては用いられておりますけれども、疫学だけが判決の基礎になっているものとは考えておりません。
○政府委員(橋本道夫君) 喜田村教授の御意見は、兵庫県で発生したイタイイタイ病とそっくりの患者は、厚生省見解にある腎性骨軟化症ではないからイタイイタイ病ではないということで否定をしておられるわけでございまして、カドミウムは腎障害に対して影響を及ぼすことがあるということは決して喜田村教授は否定しておるわけではございません。
○近藤委員 イタイイタイ病と骨軟化症の違いは腎性尿細管変化であると課長が言うわけですけれども、その腎性尿細管変化があるかないかは尿中低分子たん白の存在で決める、こういうことで判定するということでありますけれども、いわゆるカドミウム汚染地域以外の御老人に対して、低分子たん白が尿中にある方の調査をしていらっしゃるかどうか。
○近藤委員 そこで、まさに、腎性尿細管が変化しているということがイタイイタイ病と骨軟化症の違いだというような言い方を課長がされたわけでありますけれども、しからば、腎性尿細管変化というのは、一体、具体的にどういうふうに腎臓が変わっているのですか。それが変わることによって一体どういうふうに骨が影響を受けるのですか。
○近藤委員 そこで、逆に、今度は、腎性尿細管病変化を判定する基準として、低分子たん白が尿中に出るということですけれども、低分子たん白が出るのは腎性尿細管変化があるからだけですか。
ただ、先ほど最後に言われたイタイイタイ病、腎性骨軟化症に至る、腎から骨に移る過程の中でカドミがどの程度関与をしているかということについての学問的な明快な解答がまだ出ていない、そこで総合研究班でいろいろやっている。しかし、何らか富山の問題については、厚生省見解のときに、やはりカドミが一部かんでいることは事実であるから、それと——それだけではもちろんない。
そこで、厚生省の四十三年の見解は、腎性の骨軟化症だという考え方というものは、その後の学問の進歩に従ってこれを再検討する、一度出したんだからあくまでこれを突き通すというようなそういうこだわりを捨てて、もっと柔軟な姿勢でこれを再検討する、こういうお考えはないかということを伺いたいと思うのです。
カドミがすべての原因で腎障害から即腎性骨軟化症に至ったという結論をしているものではないわけでございまして、現在のところ、私どもはこの研究班をもちまして、また研究調査費を過去二年前から計上して、この道のあらゆる専門の医学者の方々に、さらに検討を進めていただいている最中でございます。したがって、カドミそのものが腎から骨軟化症にいく際の決定的な原因だというふうに断定したものではない。
問題は腎と骨の関係ということでございまして、腎性骨軟化症というところについて幾つかの説がありまして、カドミウムが全くなくても腎臓から骨に至るという説をとる人はまずほとんどございません、現在のところ。これはほかの要因がかんでおるということです。あるいはカドミウムが腎臓には関係しておったが骨の方には何ら関係してなかった、栄養だけの問題だという仮説はありますが、これはまだ非常に少数でございます。
○橋本(道)政府委員 いま橋本部長はどう思うかという御質問でございますから、私の考えとして申し上げたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、腎性骨軟化症というところに一番問題があるわけでございまして、それがカドミウムだけで腎性骨軟化症になったのだということは厚生省見解もとっておりません。そういう説の方はおられます。
結論を申し上げますと、「イ病の原因をめぐり、」——イ病はイタイイタイ病でありますが、「(一)「イ」病はカドミウム蓄積により生じた尿細管障害にもとづく腎性骨軟化症であるとする説と、(二)これを疑問視し、「イ」病はビタミンD欠乏性骨軟化症であり、最近の「イ」病患者の示す尿細管障害はむしろ治療として用いられた大量のビタミンDにより生じた可能性を考慮すべきである、とする二つの説が対立している。
○八田委員 そうしますと、私は萩野先生に意地悪い質問をするわけではないですが、先生は、ウイーンのある大学教授が腎性骨軟化症にはビタミンDの大量投与が非常にきくのだということを言っておられますね。ウィーン大学の教授は一体どういう人なんでございますか。どういう教授が腎性骨軟化症にビタミンDの大量投与がきくんだ……。
○八田委員 重松参考人にもう一つお伺いしたいのですが、そうしますと、腎性の骨軟化症を否定されるかどうかという問題ですが、あなたのお考えとして、腎性の骨軟化症という点を修正されるか、否定されるか、その点です。
○村田参考人 昭和三十年の骨軟化症は腎性ではない。しかし最近における骨軟化症は腎性のものである。その腎性のものはカドミウムによって起こってきたのではなく、ビタミンDの過剰投与によって起こってきたということでございます。したがって、カドミウムを主体として考えたときに、イタイイタイ病は腎性骨軟化症とは考えません。
この富山県の神通川流域のことは直接主題でないようでございますが、カドミウム中毒を考えるための参考として申し上げてみますと、一昨年の十二月に私がここで意見を申し上げたその後の私どもの研究及び経験の発展は、私ども考えましたあのイタイイタイ病という疾患がカドミウム中毒に基づく腎性の骨軟化症であるという考え方、それを立証する方向、それに一致する方向の結果だけあらわれてきております。
で、その三年間の成果といたしまして、先ほど申し上げましたように、カドミウム中毒性の腎性骨軟化症という結論に到達した。診断方法及び治療方法について一応の実用的な結論は得ております。非常に興味のある疾患でございます。