「七月三十日岐阜縣羽島郡川島村所在總合綿絲有限會社尾關廣方に名古屋商工局商工事務官重見道雄外六名隱匿物資摘發の為臨檢したる際所轄笠松警察署警官が右摘發の執行を阻止妨害したる事實なし眞相は七月二十五日笠松署に對し右會社に「CIO」が摘發の為臨檢する旨投書ありたるを以て「CIO」に連絡したる所、投書の如き事實なき事實判明したるを以て偽摘發隊横行の際警察に於ても警戒し居したる處三十日前記摘發隊員が來た旨尾關方
それと同時に新聞紙に傳うることは、必ずしも私は全的にこれを是認するものではありませんが、全部の地方新聞が筆をそろえて、尾關某という者が笠松署が放火によつて燃失いたしまして、新しく建築する際に、ある新聞は百五十萬圓尾關君が新築資金として寄付しておるといい、あるものはおよそ百萬圓、あるものは最低といえども五十萬圓を寄附しておるということを書いております。
そうすると笠松署の黒田司法主任以下武裝警官五名がやつてきて、摘發するとはけしからぬ、この新憲法下隱匿物資の摘發などする權利はないと臨檢を拒み、約三時間もすつたもんだを演じ、ようやく臨檢を認めまして、倉庫内に四千百二十七貫の生絲を摘發したということになつております。