1950-04-28 第7回国会 参議院 水産委員会 第16号
即ち紀伊水道の水産源と、大阪湾や播磨灘の水産資源が殆ど同じもので、冬季寒冷になると、内海の温帯性水族が全部内海より多少温暖な紀伊水道に避寒し、陽春と共に内海に入り生殖を営み、稚魚は成長肥大して又紀伊水道に入る水産資源の移動集散の実態を没却して、紀伊水道を考えているのであります。紀伊水道における水産資源の実態を把握することによつて、初めて可能であるのであります。
即ち紀伊水道の水産源と、大阪湾や播磨灘の水産資源が殆ど同じもので、冬季寒冷になると、内海の温帯性水族が全部内海より多少温暖な紀伊水道に避寒し、陽春と共に内海に入り生殖を営み、稚魚は成長肥大して又紀伊水道に入る水産資源の移動集散の実態を没却して、紀伊水道を考えているのであります。紀伊水道における水産資源の実態を把握することによつて、初めて可能であるのであります。
即ち三氏らは海洋学的な現象の一部門の事実を見て、それを総合化して考察せず、その上内海の特殊性を検討することなく、従つて有用水族の移動集散という生態的側面の分析的にして且つ総合的な考察を放棄し、顧みられるところがなかつたところにその原因が潜在していることをここに指摘するものであります。
このように有要水族の移動、集散というふうなことから考えて見ますと、瀬戸内海、特に東部瀬戸内海に住んでいる魚は、内海、内海と申しますか、紀伊水道瀬戸内海の播磨灘、大阪湾というようなところを一軒の家のようにして動いているわけであります。