1947-10-27 第1回国会 衆議院 司法委員会 第50号
民法は先ほど申しましたような私法としての性格、及びそれに適合する私權を内容づけるものでなければ、意味をなさないのであります。便宜上民主黨その他三黨の修正案について見ますると、第一條第一項「私權ハ公共ノ福祉ニ遵フ」というのは、まさに憲法第二十九條が規定しておる「財産權の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」という規定を、ここに抽出した觀があるのであります。
民法は先ほど申しましたような私法としての性格、及びそれに適合する私權を内容づけるものでなければ、意味をなさないのであります。便宜上民主黨その他三黨の修正案について見ますると、第一條第一項「私權ハ公共ノ福祉ニ遵フ」というのは、まさに憲法第二十九條が規定しておる「財産權の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」という規定を、ここに抽出した觀があるのであります。
しかし委員會の空氣、竝びに他黨の委員諸氏の御意見を承りまして、第一條の一、すなわち「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」という規定が、論議の中心となりましたので、でき得るだけわれわれは協調いたしまして、私法の根本法である民法第一條に、民事法全般に通ずる原則を表現いたしたいものと存じまして、民主黨、國協黨の各委員諸氏と共同いたしまして、本修正案に到達した次第であります。
地方公共團体の廃置分合及び境界変事は、法律又は行政処分によつて行われるのでありますが、この場合において、関係地方公共團体の有する財産処分は、その性質から見て、私法的な事件であり、当事者の意思を最も尊重すべき筋合のものであります。
○衆議院参事(三浦義男君) 提案者でありまする淺沼さんが今日余儀ない事情でこちらへ來られませんので、私法制部長でございますが、代りまして私のお答えできる範囲で御答弁をいたしたいと思います。第一点につきましては御尤もでございまして、先般制定せられました裁判所法におきましてもさようなことが規定せられておるのであります。
すなわちイギリスの石炭廳ナシヨナル、コール、ポールドというのは、決して政府の行政官廳制はない、私法上の法人である。業務を執行する場合の一切の行為及び取引をなす能力をいかにして收支相償うようにするかと考え、これを根本要件にいたしておるのであります。
適用する範囲は、私法に関する限りはすべてこれで行くということであると思います。刑法の方の関係は勿論除かれますけれども、民法としての適用の範囲、商法としてもそうであらうと思いますが、それでよろしいのでありますか。
○政府委員(奧野健一君) 民法、商法という私法関係に限つての考えであります。例えば未成年者禁酒或いは禁煙というようなものにまで、これを成年者とみなすというつもりではなく、私法関係のいわゆる無能力者として、法律行為の能力の関係においては成年者とみなすという意味であります。
従來の公法私法というような観念を以てこの法案を律するということは、極めて困難であります。從つて全官公吏もやはり労働者の一人であります。これは労働組合法の第二條が明確に規定しておるのであります。從つてこういう労働者の基本的な権利も憲法は第十五條、及び第二十五條、二十六條等においては明確に規定しておるのであります。
予算の御協賛を得ましていわゆる私法上の契約を以て、補助金といいますか、その引揚費を國が負担することにいたしまして、解体除去の手続をいたしたいと思います。これは大体今年度一杯には片がつくと思つております。尚この中でも、航路に引つ掛つて除去しなければならんが、併し強いて所有者の方で多少経済的な負担なり何なりしまして使えるというような船につきましては、勿論所有者にその途を認めております。
何故に憲法の考え方を覆えして、私法であるところの民法にかくのごとき一項を加えるのか、その加えた動機、それを加えることが反憲法であると私は信ずるのであります。何故にかくのごとき憲法以上の規定をここに設けたかということを伺いたいのであります。
○松村眞一郎君 議論になりますから、余計なことかも存じませんけれども、今度の憲法は、元とは違つて私法の規定を沢山加えたことは御承知の通りです。婚姻のことも書いております。いろいろのことがある。今度の憲法は、実は元の憲法と違つて、私法関係のことも、基本的のことはすべて書くということになつておるのでありますから、憲法は公法の規定であるという解釈は、これはお改めにならんと私はいかんと思います。
ただ民法という點になりますと、私人関係、私法関係となりますので、その点を明らかにした方がよいのじやないかと思いまして、いたしたわけであります。私権についてそういうふうに決めて置きますならば、その私権の行使、民事訴訟等につきましても、これはやはりそういつたような精神が自ら現われて來るのではないか。
私人的の扶養は、さらに公法的扶養と私法的扶養とにわかれてまいりますが、この國家的扶養につきましては古い時代の制度は、はつきりいたしませんが、明治になつてからは、明治七年に太政官達で救恤規則というのがありまして、それによりますと「極貧ノ者独身ニテ疾病ニ罹リ産業ヲ営ム能ハザル者」竝に「独身ニ非ズト雖モ餘ノ家人七十年以上十五年以下ニテ其身癈疾ニ罹リ窮迫ノ者」は一箇年に米一石八斗を給與するという布告が出ております
實は立案の途中これを民法の不法行爲の中に規定すべきかどうかということがいろいろ議論になつたのでありますが、これはやはり民法は、私法關係に關する法律であるから、こういうふうに公法關係、或いは公權力行使の關係はやはり民法の中に規定することはまずなかろうということで、結局獨立法として立案いたしたようなわけでありまして、その點も十分考えたのでありますが、結局獨立法になつたわけであります。
行政行爲乃至は行政處分に關する救濟は結局すべて私法的救濟に歸せられるということになつたのでありまして、從來の公法關係、私法關係に囚われることなく、苟くも公務員が故意過失によつて違法に國民に損害を與えたという場合には一樣に民法の不法行爲の適用がある。結局前囘に鈴木法相が言われておりました普遍的の原則にこの民法の第十七條というものが立脚しているのである。
○政府委員(奧野健一君) 第一條は公権力行使の関係でありますが、第二條は公の営造物の関係で、これは純然たる私法関係とも申上げられないので、むしろ公法関係であつて、而も公権力行使の関係ではない、私法関係と公権力関係との間における中間の公法関係であります。
これは簡易生命保險あるいは郵便年金法はまつたく純然たる私法上の關係でありますから、これを本來國民の權利義務の關係を律する命令事項とすることは不穏當である。民間業者と同じ立場に立つて同じ方式、すなわち約款の形式によることが妥當であるという多數學者の意見をも徴しました結果、かような新しい方式をとることにいたした次第であります。
○安田委員 本民法改正案は、現行民法典中において、新憲法の規定竝びにその精神に反する部分を、とりあえず最小限度において修正せんとするものであつて、民法典全體の根本的改正は他日に期せられておることは、これを承知いたしておるのでありますけれども、民法典の根本的改正ということは、なかなか容易ではございませんので、この民法の改正案は、少くとも今後相當の長い間われらの私法的法律關係を規律するきわめて重大な法典
むろんすべての權利は公共のためにあるのですが、そうすると人間の存在それ自身が公共のためにあるというような、廣汎なことになるのですが、これは外國において公法と私法との別がだんだんなくなりつつあるというようなことが反映して、この條文ができて、それを日本の改正民法に入れられたのではないかと考えるのでありますが、その點いかがでありましよう。
○北浦委員 國籍法は日本人とは何ぞやということなんかに必要であるかもわかりませんが、法令を至急改正なさらぬというと、婚姻年齡であるとか、あるいは婚姻條件であるとか、その設立要件ことごとく違つておるのでありまするから、いわゆる國際私法というようなものは、今日間に合わぬやつがたくさんある。
しかしながら、國家または公共團體の不法行為の中で、公權力の行使に基くものにつきましても、私法の中にも、また公法の中にも賠償を求められるという特別の規定がなかつたのであります。
これは政府機關でありますから、政府機關に私法的な破産といつたようなことはないかと思います。從つて、もしもこういう公團が非常に經理上マイナスをだすといつたような場合には、政府がある場合には増資をするとか、またその他の方法により、結局政府が政治的に責任を帶びて善處するということになるだろうと思います。
それを撤廢したのが憲法の趣旨であると考えますのと、これによつて公權力行使の場合だけを規定すれば、他はすべて私法關係においては民法が働くので、これによつてすべての公務員の不法行為について、被害者又は救濟を受け得ることになるというわけでありまして、すなわち憲法の趣旨もまた公権力の行使の場合に、その救濟の途を開くということで、必要にして十分であらうと思います。
○奧野政府委員 御承知のように民法におきましては私法関係の規定でありまして、本法におきましては國家公共團体の公権力行使による場合の関係で、いわゆる公行政の関係で、私法的関係ではありませんので、やはりこれを民法の中に規定するということはやはりその私的関係、公的関係と立場が違いますので、これを特別法にいたして。