1972-05-25 第68回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第22号
カドミウムの患者が神通川地区以外に出た、それが、神通川地区と全く同様なものかどうかというように、先ほどの御質問はそう解釈してよろしゅうございますね。
カドミウムの患者が神通川地区以外に出た、それが、神通川地区と全く同様なものかどうかというように、先ほどの御質問はそう解釈してよろしゅうございますね。
それに対する私の解釈は、それは汚染の程度、歴史、それが問題なんだ、あの神通川地区のように長い期間、高度な汚染があったというところはないというふうに解釈すれば簡単に片づくのじゃないか。水俣病の問題の場合のように、第一の水俣病が出てきて初めて片がついたように、第二のイタイイタイ病を待望する、それが出なければ問題が解決しないというような考え方は非常におかしいということを私は思ってまいりました。
私どもの神通川地区の経験では、要するに尿中カドミウム量が高いということは、集団的に見ました場合に、その地区に汚染があるということの証拠にはりっぱになり得ますが、個人にとりましてはそれはちっとも当てにならない。汚染されていてもあるときはたくさん出、あるときは非常に少ししか出ない場合が非常に多い。ことに一次尿ではかりました値では当てにならない。
神通川地区の住民に比べれば安中の人たちのカドミウムの摂取量は五分の一にすぎない、だから直ちにイタイイタイ病が発生するおそれはないというようなことの見解を発表されました。そのときから私と意見が食い違ってまいりまして、それから私に対しては厚生省からは音信不通になってしまったわけです。
昭和十八年に神岡鉱山のいまの神通川地区の患者が出ましたあのあたりの稲の被害を調査に参って、その報告書がいまごろになりまして患者の発生した場所と全く一致するということが出てまいりまして、そういう昔の調査が今度のイタイイタイ病の原因究明に役立つというようなこともあったわけでして、私も長い経験をもってこういうお話しを申し上げておるわけなんです。
そしてその尿の中から、ゲルろ過法によりまして、神通川地区のイタイイタイ病と全く類似した二人の患者のパターンを発見し、他の二人にはややこれと近い尿のパターンを発見しているのでございます。ただし、現在の医学においてはこのゲルろ過パターンを認められない、まだ新しいために、他の追試がないためにこれを認められないといって認められないのでございます。
神通川地区の患者さんたちは、自分のつくった米を食べておりますので、やはりカドミウムが口から入っておる。その点黒部のほうは幸福じゃないか。あの米は移出禁止にもなっておりますし、患者さんたちも食べないように、カドミウムの入らないお米の配給を受けておるのでございます。