1983-03-02 第98回国会 衆議院 文教委員会 第2号
しかし、神武天皇そのものが実在したかどうかもよくわからないし、いわゆるアジア全体を一つの家として天皇が、日本がそこに優越的な立場をとるというのは、日本の史観としてはいいことかもしらぬけれども、日本の下に位置づけられようとする国の人から見たら許され得ないことじゃないでしょうか。そうしたような気持ちを大臣が持つとすれば、この間来一生懸命やった教科書論争が再度また復活してくるのじゃないでしょうか。
しかし、神武天皇そのものが実在したかどうかもよくわからないし、いわゆるアジア全体を一つの家として天皇が、日本がそこに優越的な立場をとるというのは、日本の史観としてはいいことかもしらぬけれども、日本の下に位置づけられようとする国の人から見たら許され得ないことじゃないでしょうか。そうしたような気持ちを大臣が持つとすれば、この間来一生懸命やった教科書論争が再度また復活してくるのじゃないでしょうか。
以上申しましたように、神武即位の年や日が不確かで、二月十一日が歴史学上無意味であるということは、繰り返して申しますように、一般の常識でありますが、神武天皇そのものは実在の天皇であるという考えを持つ人が、なお一部にはおられるようであります。しかし、古事記と日本書紀によって、神武天皇の「経歴を見ますと、全く神話的な存在であって、実在の人とは思われません。
わが日本におきましても、申すまでもなく相当古い歴史を持っておるのであって、これは神武天皇以来の歴史につきましても、あるいは一部においては崇神天皇以前までは年代において不正確であるからこれを抹殺しようというような考えを持っておりまするけれども、多少の時間的のズレがありましても、まだ今日だれも神武天皇そのものの存在を否定するものはおらないのであります。