1951-11-05 第12回国会 参議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会 第10号
飽くまでこれは日本の祖先伝來の土地でありまして、その住民も完全に日本国民であるから、かような場合と多少取扱が違つて領土権が日本から剥奪されていない、剥奪するという積極的の規定がないからと言つて、それで非常に隴を得たと言われるが、蜀を望む前に私は隴をも得ていないという感じがしてならない。
飽くまでこれは日本の祖先伝來の土地でありまして、その住民も完全に日本国民であるから、かような場合と多少取扱が違つて領土権が日本から剥奪されていない、剥奪するという積極的の規定がないからと言つて、それで非常に隴を得たと言われるが、蜀を望む前に私は隴をも得ていないという感じがしてならない。
もとより私共は二反歩、三反歩の小さい地主諸君が、祖先伝來の農地を失われるということにつきましては、個人的な意味では大いに同情を禁じ得ざるものがあります。併し若しそういう個人的な気持で我々がこれを論じますならば、徳川幕府以來数百年の長い間に亘つて圧制と搾取の下に呻吟した数百万の耕作農民の存在を忘れては頂きたくないのであります。
要するに地元民というものは、相当長年、祖先伝來の口傳え、ではありますが、その川なり、流れなりの癖とか、川のあり方には詳しい專門的な知識を持つております。