1954-05-06 第19回国会 参議院 電気通信委員会 第19号
このトランジスターが非常に重要視されました理由は、電気信号を増巾する作用を持ちますものとしては、従来は真室管が代表的なものでございました。
このトランジスターが非常に重要視されました理由は、電気信号を増巾する作用を持ちますものとしては、従来は真室管が代表的なものでございました。
つまり真室管の場合には真室管のキヤソード、プレート、それからフイラメントとの間のキヤパシテイ、静電容量は極く小さくしなければならない。而もその上に真空管の増幅をきめるミウチユアル・コンダクタンスを大きくしなければならないというのですから非常に真室管のほうが困難です。日本の真室管がまだテレビジヨンをやるのに十分成功していない。
一人が何千円、真室管一つ買えばなくなる、これが研究して日本の標準方式をきめるということを待てば、それは五年になるか七年になるか、それで独特の標準方式はできるかも知れませんが、日本の技術界、工業界、或いは国民がそれによつて受ける福祉というものはどうなるか、とにかく時期だけはずつと遅れる。それでもかまわないのだというような政策が議会で決定されるならば、それは私たちその方針の下にやらなければならん。
これは無論六メガサイクルの場合を言つておるのでありまするから、若しフインクさんの説にして真であるとすれば、六メガサイクルの場合でも、現在天然色のために余計に使つている三十二個の真室管の半数以上が取除かれることになるのであります。