1984-10-03 第101回国会 衆議院 農林水産委員会 第29号
殊に、水利の末端の水田では登熟障害も出ているわけでございます。私は、質問のたびに基盤整備と水資源対策は国家の責任でこれを実施あるいは確保するように常に要望しているところでございますが、今夏の干害の実態の概要でもよろしゅうございますが、今把握しておりますならばお知らせ願いたいと思います。
殊に、水利の末端の水田では登熟障害も出ているわけでございます。私は、質問のたびに基盤整備と水資源対策は国家の責任でこれを実施あるいは確保するように常に要望しているところでございますが、今夏の干害の実態の概要でもよろしゅうございますが、今把握しておりますならばお知らせ願いたいと思います。
また、農林水産物関係といたしましては、水陸稲の被害が約四百七十九億円でございまして、主として倒伏、冠水、浸水あるいは受精障害、登熟障害等によるものでございます。また、果樹につきましては約百五十億円の被害が報告されておりまして、これは主として収穫期にありますリンゴ、ナシ等の落果による被害であると思われるのでございます。
被害の状態といたしましては、倒木、冠水、浸水あるいは風等による受精障害、登熟障害等によるものでございます。 それからその次に、農作物の中で大きな被害を受けておりますのは、リンゴ、ナシ等の果実が登熟直前に落果いたしまして、約百五十億円の被害が出ております。また近畿等を中心にいたしまして野菜の被害も約九十億程度に上っておりまして、冠水、浸水によるものがその大部分でございます。
その後、五月下旬には天候が急に回復いたしまして、晴天が続いたわけでございますが、そのために赤カビ病は蔓延がとまったと考えられますけれども、そのかわりに、枯れうれと申しますか、成熟しないままに登熟したような状況になるというような、登熟障害を起しております。これらの被害は、一般には穂の出ることの早い裸麦の方が小麦よりも多く出ております。
特に水稲においては、冷害により著しい生育の遅延、受精障害あるいは登熟障害を生じ、北海道は言うまでもなく、東北の一部の地域におきましてもまれな凶作となり、これがために農家の経済は極度に窮迫し、日々の食糧にも事欠くありさまとなっているのであります。
御承知のごとく、北海道、東北等寒高冷地帯は、一般に水稲生育期間の気温が低く、積雪量も多いため、稲の生育期間が短かい上に、夏季には低温及び冷水灌漑等により授精障害並びに生育遅延による登熟障害を起しやすく、昨年並びに本年の二箇年にわたり激甚なる冷害をこうむつたことによつても明らからであります。従いまして、水田の生産力は不安定かつ低位にあり、ためにその利用率も低く、経済的にもはなはだ立ち遅れております。
先ほどもちよつとお話しましたように、過去の冷害をわけてみますと、昭和二十年のように春先からずつと天候が悪くて、ただ遅延したために、そうして秋詰まりに霜にあつて青枯れてしまつた場合には、稔実障害があまりない、ただ登熟障害が出て来るわけです。しかし遅延の場合にも大まかにみて二通りある。
冷害につきましては、本年の冷害は、この前も御説明いたしましたように、昭和九年当時のような場合と違いまして、主として八月下旬以降の低温障害と寡照によるものでありますので、中晩稲の開花受精障害、登熟障害が意外に——意外というよりは異常に重い被害の深さを持つておるようでございます。
従いまして稲の成育に及ぼしました冷害の特色としましては、昭和九年のころは、開花出穂期前にすでに冷害の症状が顕著でありましたものが、本年は出穂開花期の低温障害と、その後の受精後の稲の米の粒の登熟障害が主体をなしておりまして、特に晩稲におきましては、出穂の遅延に伴います登熟期間の低温と、その後、今後霜がいつごろ来るか、この霜によつて発出月がとまるかについて懸念を持つておる次第でございます。
稲の生育から見まするこの冷害の特色は、最近全国的に収量との関係で中、晩稲をかなり各地において殖えておりますが、出穂開花期の低温障害の場合、受精をした後、米の粒の登熟障害の場合、おのずから生育時期に応じまして、この二つが主体をなしておりまして、晩生種におきましては、出穂の遅延に伴う登熟一期間の低温と制約、制約と申しますのは、今後成熟期に至るときに霜がいつ降りるかということによりまして、今後といえどもなお