1956-03-06 第24回国会 参議院 文教委員会 第7号
そこで研究成果実用化のために特別な委員会を作って産業技術開発金庫案というものを出しました。そして政府も一旦は受け入れたのでありますが、当時占領中で、どういう事情かしれませんが、まだ実現を見ないというのは非常に遺憾に思っておる点であります。それからまたもう一つは、公衆衛生の立場から、たとえば公衆衛生の問題から屎尿処理の問題のごとき、相当大きな問題であります。
そこで研究成果実用化のために特別な委員会を作って産業技術開発金庫案というものを出しました。そして政府も一旦は受け入れたのでありますが、当時占領中で、どういう事情かしれませんが、まだ実現を見ないというのは非常に遺憾に思っておる点であります。それからまたもう一つは、公衆衛生の立場から、たとえば公衆衛生の問題から屎尿処理の問題のごとき、相当大きな問題であります。
しかしながら、また一面、日本の研究体制の上で最大の欠陥であると思われる基礎研究と、それから実用化との間等につきましても特に委員会を設けまして、その隘路を指摘いたしまして、そして研究成果を実用化するために産業技術開発金庫法案の提出方を政府に勧告いたしまして、政府でもそれを取り入れ、一旦閣議にかかったのでありますが、当時占領治下でありまして、どういう事情か、とうとう実現をみなかった。
お手元に資料として「産業技術開発金庫骨子案」というのが行っていると思います。昭和二十五年一月二十九日日本学術会議の作成いたしたものでございます。この金庫を政府の方で設立するよう考慮せよというのが学術会議の勧告でございまして、かなり古いものでございます。
次に、この案とよく対照的に考えられる案でありますが、日本学術会議から昭和二十五年の一月二十九日付で改訂案とされまして出しておられます「産業技術開発金庫骨子案」は、すでに科学技術行政協議会において取り上げた案でありますので、科学技術行政協議会の事務局長から説明を求めたいと思います。
そういう産業技術開発金庫という制度を設けたらばいいじやないかという案を作りまして、これを申入れたのであります。ところがその当時はまだ占領軍ありましたが、いろいろいきさつがありまして、結局産業技術開発金庫という、そういう金庫は特別にはできませんでしたけれども、開発銀行がそのうちできましたので、この仕事自身は開発銀行がすることになりまして、これもやはり目的を達しておるのであります。
それからもう一つ、これは予算には現われておりませんけれども、私どもがいろいろ研究しまして、日本で研究室の成果が工業化されない原因をいろいろ調べましたあげく、産業技術開発金庫というものを考えたのでありますが、それは日本で研究が工業化されない一つの原因は金がない。それで適当に金を借りまして工業化して、しかる後に借りた金を返して行く。技術的に非常に確実なものならこれができる。
それでよほど科学研究に力を入れておりますし、いろいろの方法を用いまして、さつき言われましたナシヨナル・リサーチ・デイヴエロツプメント・コーポレーシヨン、産業技術開発金庫とそつくり同じ——日本でもいろいろ苦労したのですが、向うでも同じような結論に達してそれらのものをつくり、その他いろいろな方法で化学研究費を助成しております。
第三項の産業技術開発金庫の点でございますが、研究の工業化に必要な試作または中間試験、こういう方面には相当な資金が必要であります。これをやらないと、生産技術のジリ貧状態になるわけでありまして、自己のリスクだけでは十分できないところがあるのでりますから、どうか政府から回転資金を融資して、将来はこれを返しに行くというような金融特殊金庫をつくつたらどうかと考えるのであります。
あるいはまた工業化資金を民間に貸し付けるために、産業技術開発金庫というようなものを設けるというようなことも、ぜひとも実現させたいと熱望いたしておる次第であります。