1974-05-10 第72回国会 参議院 本会議 第20号
はなはだしきは、現地政権、それも民衆の支持をすでに失っている独裁・腐敗政権の維持のため、またその権力者の私腹を肥やすために、日本の大企業との癒着のもとで使われたとの疑惑を受けた例も、過去一、二にとどまるわけではありません。アメリカのニクソン・ドクトリンの結果として、こうした経済協力による独裁・腐敗政権維持外交の肩がわりまでも日本が引き受けることは、断じてあってはならないと存じます。
はなはだしきは、現地政権、それも民衆の支持をすでに失っている独裁・腐敗政権の維持のため、またその権力者の私腹を肥やすために、日本の大企業との癒着のもとで使われたとの疑惑を受けた例も、過去一、二にとどまるわけではありません。アメリカのニクソン・ドクトリンの結果として、こうした経済協力による独裁・腐敗政権維持外交の肩がわりまでも日本が引き受けることは、断じてあってはならないと存じます。
これらの事態の底にあるものは、これまで現地民衆を踏みつけにしてきた日本の企業進出と、これを許してきた現地政権とわが国資本との癒着関係に対する民衆の怒りがあったといわなければなりません。
それは、ベトナムに対するアメリカの援助その他を見てももう明らかなとおり、援助というものが植民地支配、あるいは、植民地支配といわないまでも、現地政権あるいは現地民衆に対する間接的な統治、間接的な支配、間接的な搾取、こうしたものを生む場所がきわめて濃厚であります。そういうものを避けるために十分の配慮というものが行なわれなければならないと思うわけであります。
太平洋戦争において、日本は東南アジアや中国その他にずいぶん現地政権を樹立いたしました。その現地政権の要人が、戦争に負けてからは非常なみじめな生活をやつておるのであります。ある者は中共に虐待され、ある者は国府に虐待され、あるいは香港に逃亡し、あるいは日本に来ている者もあります。