2000-11-30 第150回国会 衆議院 憲法調査会 第5号
特に、アメリカの現代史家は、戦後二十年たち、さらに三十年たった時点で、いろいろな機密文書が公開された、それを踏まえて日米戦争というものを随分振り返って考えています。ここでは余談だから詳しく話しませんが、アメリカの現代史家の中で、あの戦争は日本のイニシアチブで始まったと思っている人間は一人もいません。そのことについてはいろいろな論もあるでしょうけれども、私の知る限り一人もいない。
特に、アメリカの現代史家は、戦後二十年たち、さらに三十年たった時点で、いろいろな機密文書が公開された、それを踏まえて日米戦争というものを随分振り返って考えています。ここでは余談だから詳しく話しませんが、アメリカの現代史家の中で、あの戦争は日本のイニシアチブで始まったと思っている人間は一人もいません。そのことについてはいろいろな論もあるでしょうけれども、私の知る限り一人もいない。
ちなみに、おもしろいことを話しますと、七、八年前に、アービングという非常にすぐれたイギリスの現代史家が、十年ぐらいかかって、もう解禁された新しい資料をもとにヒトラーの伝記を書いた。
これもアメリカの現代史家の過半は、つまりハル・ノートなどを参照して、外務省の怠慢で、つまり翻訳がおくれて三十分遅参したために、さながら日本が奇襲をかけて非常に卑劣な行為をしたというふうなコンセプトができ上がっているけれども、実態はそういうものであって、言ってみれば日本が追い詰められてやむなく行った戦争であるということを、アメリカの現代史家がそういう解釈を下している、そういう部分。