1948-12-12 第4回国会 衆議院 本会議 第10号
吉田内閣成立直後、吉田総理は法務総裁を兼任されて、法務総裁として部内職員にあいさつをされた模樣でありますが、新聞に発表されたものによつてその内容を見ますると、犯罪必罰主義、嚴罰主義を強調されておるのであります。しかし御承知のごとく、これらの思想は、刑事思潮変遷の歴史から見れば、もはやそれは旧時代の遺物に過ぎないのであります。
吉田内閣成立直後、吉田総理は法務総裁を兼任されて、法務総裁として部内職員にあいさつをされた模樣でありますが、新聞に発表されたものによつてその内容を見ますると、犯罪必罰主義、嚴罰主義を強調されておるのであります。しかし御承知のごとく、これらの思想は、刑事思潮変遷の歴史から見れば、もはやそれは旧時代の遺物に過ぎないのであります。
○高橋(禎)委員 法務総裁は、嚴罰主義で臨めば正義が維持され、社会の秩序が維持できるというように考えられ、また犯罪必罰主義が、いかにも原則的にお考えのように私には了解されたのでありますが、しかし実際のそれは、私の見解をもつてすれば、はなはだ失礼な言い分かもしれませんけれども、きわめてしろうと論に近いと思うのであります。私は檢察の運用に当つては、どこまでも神と正義を恐れるの態度でなけらねばならぬ。
その訓示の趣旨を伺つてみますと、いかにも犯罪必罰主義、しかもまた嚴罰主義というふうに受取れる華があるのであります。殖田法務総綱は將來犯罪に対して、どこまでも犯罪必罰主義、嚴罰主義でもつてお臨みになるお考えであるかどうかという点を、お伺いいたしたいのであります。