1954-01-28 第19回国会 参議院 本会議 第5号
MSA再軍備は地域的集団安全保障形式でありますが、この形式は実質的には特定国家群を対象とする軍事同盟にほかならないことは明らかであります。この方式は現在重大な困難に当面し、世界にはこれに代る別個の安全保障方式をとろうとする考えの人も少くないのであります。
MSA再軍備は地域的集団安全保障形式でありますが、この形式は実質的には特定国家群を対象とする軍事同盟にほかならないことは明らかであります。この方式は現在重大な困難に当面し、世界にはこれに代る別個の安全保障方式をとろうとする考えの人も少くないのであります。
もし今日の状態においてある特定国、しかもそれは国連に実際は加盟できずに、— できるかのごとき印象を講和條約の上に與えておいて、事実は特定国家群との間に地域的なる集団保障、こういうものに参加するということであれば、これは国際連合の本筋とは逆行して、少くともそれは筋の相いれない方向に日本の運命を陷らせて行こうとする線であると私は思う。
(拍手)我々は、日本がアジアの一つであり、戦争の前と違つて、アジアとの……アジアの行く方向に日本が行くのであり、日本の行く方向にアジアが行くのではない、併しアジアとの提携なくしては日本の経済的繁栄は困難である、(「ノーノー」「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)こういうことを考えるときに、我々は、講和後における外交方針は憲法の精神に即した中立的な立場でなければならず、特定国や又は特定国家群との間に軍事協定
第三には、平和と中立とを堅持する立場は当然に特定国または特定国家群との間に、たとえば基地の提供等の消極的にもせよ、軍事的負担を含む軍事的ないし政治的協定を締結することに反対する立場でなければなりません。万一かかる協定に応ずることがありまするならば、ポツダム宣言の精神も、日本憲法の理想も、マ元帥の永世中立の要望も、一片のほごと化すのであります。