1961-05-31 第38回国会 参議院 農林水産委員会 第52号
せっかく遺産を相続しても税金に負けてしまって、そしてせっかく取得した農地をある程度手放さなければ、父租伝来の農地を確保できないということになる。そこで早く言えば、相続税をもう少し減額してもらえないか、同時に固定資産税も非常に高い。
せっかく遺産を相続しても税金に負けてしまって、そしてせっかく取得した農地をある程度手放さなければ、父租伝来の農地を確保できないということになる。そこで早く言えば、相続税をもう少し減額してもらえないか、同時に固定資産税も非常に高い。
例えば、父租伝来の地であつた南西諸島等の信託統治、或いは千島、樺太の割譲は、我が国民感情として誠に受入れがたいものでありまして、ポツダム宣言を受諾した以上、領土については我が国には何らの発言権が與えられないとは申すものの、戰争中の、最も敵愾心の強い、従つて制裁的気分に満ちた(「休憩々々」と呼ぶ者あり)当時に決定されたところのものを、そのまま和解と信頼の講和に押付けられているということは、誠に残念であります
ことに父租伝来の美田に対する耕作者の愛着に至つては、およそ第三者の想像を絶するものがあるのでありまして、これら被害者の原状回復に対する熱望にこたえるためにも、また食糧その他重要物資の生産を確保するためにも、原状回復を断行するか、少くともその効用を復旧せしめなければならないことはすでに論議の余地のないところであると確信いたすのであります。
さらにまたもはや農業には耐えられないで、父租伝来の土地を捨てて他に転じて日雇い労働者等に落ちて行くというような者もある。そういう非常に深刻な立場に今日立たされておるのでありますが、この現内閣の財政政策並びに経済政策の一貫したものを見ますと、中小企業と同様に、農村に対しましても、やはりこの実情に即してこれを振興し、もしくはこれを救済して行くというような政策が見受けられない。