1962-03-29 第40回国会 参議院 予算委員会 第21号
昔の戦争では、侵略を受けましてから国の潜在工業力を動員しまして、これを軍事産業に転換をし、どうやら間に合ったのであります。しかし、最近の戦争ないし事変を見ますと、もうそういうことでは間に合いません。詳しい例は略しますけれども、あの朝鮮戦争におきましてアメリカがあれだけ大きい潜在工業力を持っておりながら、いくさの初期には敵からひどい目にあいました。間に合わなかったのであります。
昔の戦争では、侵略を受けましてから国の潜在工業力を動員しまして、これを軍事産業に転換をし、どうやら間に合ったのであります。しかし、最近の戦争ないし事変を見ますと、もうそういうことでは間に合いません。詳しい例は略しますけれども、あの朝鮮戦争におきましてアメリカがあれだけ大きい潜在工業力を持っておりながら、いくさの初期には敵からひどい目にあいました。間に合わなかったのであります。
昔のいくさでは、いくさが始まりましてから国の潜在工業力を動員しまして、これを戦時生産に転用して間に合わせたのではありませんか。御承知のとおり、今はそんなことでは間に合いません。たくさんの例をあげるまでもなく、あのアメリカの大きな潜在工業力を持ちながら、わずかの朝鮮事変でも、補給が間に合わぬために、初期には非常に苦難をなめました。
○下村定君 つけ加えて申しますが、昔の戦争では、侵略を受けましてから、国内の潜在工業力を動員しまして、これを兵器生産に転用して補充をし、また間に合ったのでありますが、最近の世界の実例を見ますというと、それでは潜在工業力がいかに大きくても間に合わない、どうしても必要なものは平時から持っておらなければならぬということを痛切に感ずるわけであります。
これは距離的に申しましても、工業の施設並びにその技術の現段階においても、日本の潜在工業力が南方地域開発には最も適当ではないか、これを懇請していただきたい、こう思うのであります。