1950-03-20 第7回国会 衆議院 文部委員会 第11号
ですから、湯川研究室でそういうものが減つたとすれば、申請をされなかつたのじやないか。あるいは申請され方が少なかつたのじやないかと私は想像いたします。湯川さんがいらしつて助手等と、今年度はこういう新しい研究をしよう、これに対する研究費をこういうようにもらいたいと申請をされて来る。
ですから、湯川研究室でそういうものが減つたとすれば、申請をされなかつたのじやないか。あるいは申請され方が少なかつたのじやないかと私は想像いたします。湯川さんがいらしつて助手等と、今年度はこういう新しい研究をしよう、これに対する研究費をこういうようにもらいたいと申請をされて来る。
それは京都大学の湯川研究室が、湯川博士がおらないために、これに対する補助金が半減されたというのですが、これは事実ですか。
○剱木政府委員 しばしばそういうことを言つて、湯川研究室の定員が減少になつたというようなことを聞いておるのでありますが、研究所については、全然行政整理をやつたことはないのでありまして、そういう事実があつたはずはないと考えております。
また長谷川萬吉教授、これは湯川研究室じやありませんが、理学部の方で、学術会議第四部会の会員の方でありますが、その方からも痛切に訴えられまして、こういうことでは非常に困る。また何か建物を建てるというさつきのお話については、私は新聞紙上以外には全然聞いておりません。どういうことなのか一向にわかりませんが、しかし片方で建物を建てて、片方で人員を整理されるということは、私は悲しむべきことである。
○武谷参考人 湯川研究所というのではなしに、大阪大学の湯川研究室——つまり大阪大学の講師を湯川さんがしておられまして、助教授におなりになられました。そうして講師、助教授の時代にそこの無給副手でございますが、副手をしておりました。補助といつても、湯川さんにいくらか研究費が来ておりました。
それでは最後にお尋ねしますけれども、湯川研究室の首切り問題を先ほどおつしやいましたが、一方では湯川研究室に定員の削減が来ている。しかも一方では、文部省が建物としての湯川記念館をつくろうとしている。こういうようなことについてあなたのごらんになつたこと、あるいは訴えられたこと、あるいはお考えでもいいのですが、簡單にでも……。
京都大学の湯川研究室では、研究員十三名のうち、その半数がすでに過般の行政整理で馘首されており、もはやこれ以上の研究が不可能になつている事実があります。又その研究費を見ますと、年額五万円、それに議座研究費八万円、合せて十三万円である。これでは研究費といつても單なる名目に過ぎないのが実情であります。而もこれは單に湯川研究室だけのことではなく、目下全国至るところの大学を襲いつつある運命である。
それから苫米地君の御提出になつておる科学技術研究振興に関する決議案これは湯川さんがあのような大きな事業をなして、国民全体が喜んでおるというそのときに、湯川研究室では首切りが起きておるという事実もあるわけであります。従つてこれらについては、われわれ立法的措置を講するばかりでなく、国会の決議その他によつて、現に行われつつある科学技術の崩壊に対して、緊急の措置をとる必要があるのではなかろうかと考えます。
それからこの湯川研究室ということも聞いておりますけれども、これは一般に欠員の半数が整理になつたという行政整理の結果、当時欠員がありましたところは二分の一になつておるわけでございますから、湯川研究室だけが整理になつておるというわけではないと思うのであります。
ところが、そういうふうに私が考えている矢先に、国では、政府はこれを考えられたかどうか知りませんが、定員法の余波を受けてか、湯川研究室というようなものが非常に悲境に京都の大学で落されておるということも聞くのであります。何か怖気をふるつたような気持になるのであります。
それからそれと関連して、湯川博士の、湯川研究室というものを公開するというようなお話がありましたが、これはまあ日本の大学の研究室全般の問題で、湯川研究室だけの問題ではないと思います。確かに研究費が非常に足りません。これを是非充実したいという考えで、文部省は非常に努力をいたしております。二十五年度予算におきまして、これも相当増額したということで、相当努力したわけであります。