2016-11-16 第192回国会 参議院 憲法審査会 第2号
最高裁判所によって、これまでも何件もの法令違憲判決が出されております。古いところでは尊属殺重罰規定事件、薬事法距離制限事件、新しいところでは女子再婚禁止期間事件、非嫡出子法定相続分規定などであります。
最高裁判所によって、これまでも何件もの法令違憲判決が出されております。古いところでは尊属殺重罰規定事件、薬事法距離制限事件、新しいところでは女子再婚禁止期間事件、非嫡出子法定相続分規定などであります。
一九九〇年代に法令違憲判決はゼロなわけです。見ていただきますと、二〇〇二年からふえ始めまして、ここ最近は非常に重要な違憲判決が飛び出してきている。恐らく、霞が関とか国会の方でも、これは何なんだというような違憲判決が出てきているというわけでございます。 まず、先に沈滞の方から若干見ていきますと、最高裁がまず法令違憲をしたのは一九七三年であります。
すなわち、一票の格差など選挙制度に関する事件などを含めましても、憲法施行後六十数年間の間に最高裁判所が下した法令違憲判決は、お手元配付の詳細資料集、衆憲資八十一号の三十一ページに御参考までに掲載してございますように、昭和四十八年の尊属殺重罰規定違憲判決以降、わずかに七種八件であり、最高裁は行政権などをチェックする憲法の番人としての役割を十分果たしていないのではないか、そのために、かえって行政の一部局
最高裁での法令違憲判決が極めて少ないことも看過できません。特に日本の場合、精神的自由権の規制に関する法律の違憲判決が一つもないことが大きな特徴です。下級審では公職選挙法の戸別訪問禁止規定を憲法二十一条に反するとしたものや、国家公務員法による公務員の政治活動禁止規定を憲法二十一条、三十一条に反するとしたものなどが、最高裁では合憲と判断されてきました。
同時に、最高裁での法令違憲判決は極めて少ないのが現状であります。司法消極主義とも言われております。その原因は、政権党が最高裁裁判官の任命制を政治的に利用するために、最高裁が憲法判断を回避する傾向を持つこと、また、最高裁が下級審の裁判官を厳しく統制する司法官僚制が影響しているとの指摘もあります。 今、一部に、司法消極主義を解消するために憲法裁判所を設置すべきとの主張があります。
しかし、現在までの最高裁判所による法令違憲判決は五件程度であり、憲法判断が必要な場合であってもその判断を避けることもあり、違憲審査制が十分に機能していないと言われています。 だからといって、憲法裁判所を置くことによって直ちに違憲審査制が機能するとは思えません。
しかし、法令違憲判決こそ、五種六件と少ないものの、最高裁には五十年以上違憲審査を行い二千五百件もの憲法判断の実績があり、多くの場合について合憲というお墨付きを与えています。しかも我が国では、内閣法制局により内閣の法案提出前に詳細な違憲性のチェックが行われ、違憲判断が下される可能性が非常に低いという状況もあります。
続いて、笹田参考人からは、 最高裁判所に対する現状認識として、多くの上告事件を抱えていること、大法廷への回付が少ないこと、これまでに出された法令違憲判決は五種六件のみであること、憲法規定を正面に押し出すことなく、法律レベルで解決を図るケースがあること、憲法裁判の前提となる裁判を受ける権利の保障に関しては、判例理論のレベルが昭和三十五年以降停滞していることが示された後、我が国の最高裁判所判事の任用資格
その上で、我が国の法令違憲判決が少ないことにつきまして、司法消極主義であるとの批判があるけれども、これは、我が国の裁判所を取り巻く環境に起因するものであり、少なくなるべくして少なくなったものであるとの見解が述べられました。