だからわれわれとしては、先ほど来申し上げておりますように、アメリカの方の発表をいたしました公式文書、「極東は、中国、日本、朝鮮、沿海州及び散在する沿岸諸島に対して最も適当な言葉と考えられる。」こういうように幾通りにも解釈がありますけれども、最小に限って考えましても、はっきりと定義を下しておるのです。だからこれを信用するよりわれわれの方としては信用する材料がないじゃございませんか。
またこれに対してヨーロッパの世論はどうであるかといいますと、御承知のように、マンチェスター・ガーディアンによりますと、中共は大陸沿岸諸島に対しては疑いのない権利を持っておる。金門、馬租防衛で、アメリカとともに戦う国は世界中で李承晩政府だけであろう。
アメリカのダレス国務長官は、金門、馬祖等の沿岸諸島を依然として保持し、これに対する軍事的挑戦については、アメリカの機動力ある海空軍の軍事力によって断固たる態度をとることを声明をいたしました。これに対しましてイギリスのイーデン外相は、これらの諸島から国府軍が撤退をすることを提案をし、武力の発動を排撃するとともに、相互の自制を強調をして外交的交渉に重点を置くことを声明しております。