1978-04-27 第84回国会 参議院 文教委員会 第9号
和辻哲郎、それからゲーテを研究した木村謹治博士、仏教の宇井伯寿、それから社会学と経済学の高田保馬博士、それからマルクス経済学の河上肇博士、西田幾多郎博士、阿部次郎、穂積重遠、フランス文学の辰野隆、まだ幾らも続きますけど、どんなに続けてみても教育学の分野でそれに相当する人というのは出てきませんね。これは教育学自身の中に短所があるのかもわからない。それは、目的は倫理学で方法は心理学だと言われています。
和辻哲郎、それからゲーテを研究した木村謹治博士、仏教の宇井伯寿、それから社会学と経済学の高田保馬博士、それからマルクス経済学の河上肇博士、西田幾多郎博士、阿部次郎、穂積重遠、フランス文学の辰野隆、まだ幾らも続きますけど、どんなに続けてみても教育学の分野でそれに相当する人というのは出てきませんね。これは教育学自身の中に短所があるのかもわからない。それは、目的は倫理学で方法は心理学だと言われています。
その資料はここに持ってまいりましたが、あの有名な河上肇博士の自叙伝の第二巻、あるいは当時同じように治安維持法で弾圧された医師である安田徳太郎氏、そういった方々の書物であります。それを見ますと、たとえば岩田義道は、昭和七年の十一月三日朝に警視庁から、警察病院で岩田義道の遺体を引き渡すから引き取りに来い。これは逮捕されてからわずか四日足らずの日数時であります。
今日の私の感慨は、わが師河上肇博士が疾風怒濤の過去を顧みてうたわれた「たどりつき振り返りみれば山川を、越えては超えて来つるものかな」に尽きております。(拍手) この間、わが国は革命的な激動期でございまして、満州事変、日支事変を経て、ついに太平洋戦争に突入し、有史以来初めての無条件降伏のうき目を見ました。