1995-02-20 第132回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号
例えば、有名な足尾銅山の鉱毒被害の場合には、山元での対策が不十分な上、廃水によって生じた深刻な農業被害の拡大防止や回復も行わずに、かえって被害民との小額での永久示談、さらには、被害を被っだ下流の谷中村に土地収用法を適用し遊水池化を進めたのである。
例えば、有名な足尾銅山の鉱毒被害の場合には、山元での対策が不十分な上、廃水によって生じた深刻な農業被害の拡大防止や回復も行わずに、かえって被害民との小額での永久示談、さらには、被害を被っだ下流の谷中村に土地収用法を適用し遊水池化を進めたのである。
なお、たとえ病気の原因が水俣病とわかったとしても、これ以上の補償は支払わないという条項の有効性についてただいま千種先生からお話がございましたが、同様な工場排水について、これ以上の請求をしないといういわゆる永久示談条項は、大正十四、五年以来、当時の日本窒素の工場排水によって起こりました何回かの漁業紛争におきまして、水俣漁協との間に何度も同じ条文で契約されております。
そして大正十四、五年ごろから、たしか三回ほどにわたって漁業補償を締結し、その間どの回にも必ず、今後新しく出た損害に対しては永久に損害補償を申し立てないといういわゆる永久示談の条項を含みながら何回もこれを改定しております。そういったことを考えますと、やはり工場が自分の排水からこういった毒が出るということは予見できたのではないかというのが私の考えでございます。