2003-02-12 第156回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第1号
実体部門に関しては、いわゆる毛沢東戦略といって、国有企業は改革しなくても、周辺には外資系企業は入ってきているし民間企業も成長していますから、二十年前は八〇%のところを今三割もう割っていて、いずれ自己消滅になるんじゃないかというシナリオは描けるんですが、同じようなやり方で国有銀行に対してもできるのか。
実体部門に関しては、いわゆる毛沢東戦略といって、国有企業は改革しなくても、周辺には外資系企業は入ってきているし民間企業も成長していますから、二十年前は八〇%のところを今三割もう割っていて、いずれ自己消滅になるんじゃないかというシナリオは描けるんですが、同じようなやり方で国有銀行に対してもできるのか。
こういうふうな状況でありまして、着々と、かつての毛沢東戦略、毛沢東思想によるいわゆる量の軍隊から質の軍隊へ大きな転換を図り、いわば海外をにらんだ戦略というものを明確に今中国は持っているというように私はにらんでいるわけであります。
確かに人海作戦、そして精神主義、百発百中主義の、日本でいえば戦前の陸軍のとったような方式でやっておりましたが、これはその間に、まず毛沢東戦略としては、ミサイルと核兵器の開発に集中したわけですね。もう経済力を顧みずにそこへ集中して、しかもそれが、六〇年には核兵器の実験に成功し、七〇年には人工衛星の打ち上げにも成功し、八〇年代にはもう既に大陸間弾道ミサイルの開発に成功する。
これは非常に長い歴史がございますから一つ一つを取り上げますと大変時間のかかる問題でございますが、米ソ、中ソ戦うという毛沢東戦略というものからここまで来るのには大変長い時間がかかったわけですね。しかし、中国自身は百万の軍隊を削減したわけです。それから、今ソビエトもINFをアジアにおいても撤去している。あるいは軍隊も二十万下げておる、減らす、撤退する、こういうことで動いておるわけです。
言ってみれば、内政上毛沢東戦略を否定しておいて、ソ連を宿敵とし、社会帝国主義、覇権主義と規定してソ連と断固闘うのだという毛沢東時代の世界戦略は、内部から変わってきているというふうに論理的にも見ざるを得ないのです。
台湾人による台湾の独立運動というのは、ある意味で中国本土からあやつっておるという毛沢東戦略で、これが革命の導火線になればいいと中共は考えているようです。それが台湾人の台湾独立運動の本質だということを私は聞いております。一番ここが中共のねらいなのでしょう。アメリカと相談をして、台湾を蒋介石によって独立さして、それを国連に入れてやるということにしないと、今度は北朝鮮が入ってくる。
私はもとより現在のベトナム紛争の本質が、毛沢東戦略の中核である人民解放闘争に深く根ざしておるということは否定しようというものではありませんけれども、その意味で、一部の容共勢力が言うような、この紛争がアメリカの侵略戦争だという見方には同調できないのであります。