1965-03-30 第48回国会 衆議院 法務委員会 第17号
いま象徴ということばが問題になっておりますけれども、旧憲法の第五十七条には「司法權ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依り裁判所之ヲ行フ」こういうふうになっておりまして、新憲法では御承知のとおり象徴ということばは第一条に「天皇は、日本國の象徴であり日本國民統合の象徴であって、この地位は、主權の存する日本國民の總意に基く。」こういうふうになっております。
いま象徴ということばが問題になっておりますけれども、旧憲法の第五十七条には「司法權ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依り裁判所之ヲ行フ」こういうふうになっておりまして、新憲法では御承知のとおり象徴ということばは第一条に「天皇は、日本國の象徴であり日本國民統合の象徴であって、この地位は、主權の存する日本國民の總意に基く。」こういうふうになっております。
政府の原案では、第一條の第一項として、「私權ハ總て公共ノ福祉ノ爲メニ存ス」いう規定を新設いたしましたが、衆議院におきまして、右の規定を「私權ハ總テ公共ノ福祉ニ遵フ」ということに修正いたしました。更に第一條の第三項として、「權利ノ濫用ハ之ヲ許サス」という規定を附加することに修正をいたしたのであります。
しかして、社会、民主、國協の共同提案、すなわち「私權ハ總テ公共ノ福祉二遵フ」ということは、「公共ノ福祉ノ爲メニ存ス」と異文同意でありまして、「公共ノ福祉ノ爲メニ遵フ」ということであるから、まつたく修正の意をなさず、同一の結果となるものであります。殊に、第二項において信義誠実の原則を掲げながら、権利の濫用を第三項に附加するということは、蛇足であると考えます。
從つてこの第一項の私權の本質をかくのごとく「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」というふうに規定づけることが、はたして妥當であるかどうか。またこの點に對する三黨の修正案である「私權ハ公共ノ福祉ニ遵フ」という文言も、はたして妥當であるかどうかということを附け加えて、ここに檢討して見たいと思うのであります。 元來民法は、われわれの個人生活の上において生起する權利義務の關係を規定するものであります。
しかし委員會の空氣、竝びに他黨の委員諸氏の御意見を承りまして、第一條の一、すなわち「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」という規定が、論議の中心となりましたので、でき得るだけわれわれは協調いたしまして、私法の根本法である民法第一條に、民事法全般に通ずる原則を表現いたしたいものと存じまして、民主黨、國協黨の各委員諸氏と共同いたしまして、本修正案に到達した次第であります。
元來本案は原案におきまして「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」ということになつておつたわけでありまするが、八並委員からも申し述べられました通りに、ややもいたしますると、たとえば人身權、特に生命に對する權利のごときに對する觀念から考えてみましても、生命權が公共の福祉のために存するというようなことになりますると、文言上から考えてみましても、不釣合のような氣持もいたすのでございます。
○奧野政府委員 この條文を設けました趣旨は、元來現行法の九百八十七條で「系譜、祭具及ヒ墳墓ノ所有權ハ家督相續ノ特權ニ屬ス」という規定があつて、從つてやはり相續財産とは別にこれらのものを取扱つておるわけであります。遺留分に關するところでも、これを特に除いておる。
第一といたしましては、改正案の第一條「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ爲メニ存ス」という條文につきましては、すでに本委員会におきまして相当深い質疑應答が行われたのであります。特に総理大臣並びに司法大臣の出席も求めまして、その答弁も得たのであります。
「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」というような文言は、必ずしも適當であるとは考えないのでありますが、この點に對する司法大臣の御所見はいかがでしようか。
次に民法の第一條の「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」という規定がございますが、これが政府委員の説明にいれば、おそらく民法の指導原理を規定したものであるとこうおつしやられるのでありまうが、それだけに本條はまことに重大でありますので、一言司法大臣にお尋ねをいたしましたいというのであります。
この民法改正案の第一條に、「私權ハ総テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス權利ノ行使及ヒ義務ノ履行ハ信義ニ從ヒ誠實ニ之ヲ為スコトヲ要ス」という規定があります。みな道徳的な規定であります。信義誠實ということは、今日法律家が口を揃えて強調するところであります。すべての新しい法律の理論が、信義誠實の原則ということに基礎を求めております。これは見方によつては、再びここで法律と道徳とが固く握手したということであります。
私は第一條の二までのことにつきまして、お尋ねしたいのですが、第一條に「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メ存ス」、こうこいう條項でございますが、これはこの私權のことだけを規定する民法上に、これを書かれることはどうかと思うのですが、これによりますと、相互契約における賃貸借、その他の純然たる私權でも、公共の福祉のために存するというようなことになるのであります。
しかし第一條の規定のように「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」ということだけをここへ抽象的にあげるならば、これはむしろ不要なことではないかと思います。と申しまするのは、私權がすべて公共の福祉のために存することは憲法の大原則でありまして、今さらここにこのまま移すということは、むしろ蛇足である。
○荊木委員 改正民法の草案の第一條ですが、「私權ハ總テ公共ノ福祉ノ為メニ存ス」、こういう書き方について、解釋はどうでもできますが、今御指摘の憲法の十三條「すべて國民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に對する國民の權利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。」こうある。