1950-04-28 第7回国会 参議院 水産委員会 第16号
ところが一方和歌山県側におきましては、機船底曳漁業の一大発展を図る計画の下に、その資金調達面について関係方面に起債認可の手続をいたされたところ、内海側より出ておりますところの資源保護、底曳網取締などの問題を含んでおる紀伊水道分離反対の陳情の次第もあつて、起債認可が行き悩みの現状にあるので、内海側よりの陳情書を取下げて欲しいという懇請を和歌山県側より受けたのであります。
ところが一方和歌山県側におきましては、機船底曳漁業の一大発展を図る計画の下に、その資金調達面について関係方面に起債認可の手続をいたされたところ、内海側より出ておりますところの資源保護、底曳網取締などの問題を含んでおる紀伊水道分離反対の陳情の次第もあつて、起債認可が行き悩みの現状にあるので、内海側よりの陳情書を取下げて欲しいという懇請を和歌山県側より受けたのであります。
こういう点で私は、紀伊水道関係の漁業者の方が、機船底曳漁業というものと違反漁業というものと区別がつかないのではないか。機船底曳はどこでもやつてもよいのだ、正規の許可を受けた底曳は当然紀伊水道で生きなくちやいけないのだというような先入感があるのではないかというような気がするのであります。こういう点で私は、底曳漁業が、紀伊水道が独立したことによつて、将来跋扈する憂いを持つておるわけでございます。
ところが日常の漁業の漁獲物が生活に始終供給されておつたところの機船底曳漁業のこの漁場というものが、西の方面において非常に制限されておるという状態である。日本の蛋白食糧の方面で、日本は澱粉食糧は輸入しておるけれども、蛋白食糧は輸出し得るというような強い力を持つておるのであります。これは水産業によつてそういうことが期待できるわけなんであります。自分自身の食糧が十分自給できるわけであります。
しかし現下の不漁に伴つたところのいわしあぐり漁業、あるいはかつお、まぐろ漁業、並びに漁区の関係から重大な危機に臨んでおる機船底曳漁業、なお定置漁業もその一つに加わりますが、これらの漁業の状態は、設備資金よりも運轉資金を最も緊急に必要としておるのであります。ところがこの運轉資金につきましては、復金においてもこれが融資の道は困難なのであります。
これは「まぐろ」漁船におきましても、機船底曳漁業におきましても、今年のごときはチヤーター料を拂うことに苦心しておる。「まぐろ」漁業も水揚額は多いが、殆んで經費に掛かります。建造資金の利息も拂うことは容易でない。で、ありますから、これに漁業事業税を課せられますことは非常な負擔であります。殊にここにありまするように、政府原案のごとく純益金の百分の十五というものを大體掛ける。