1948-06-11 第2回国会 参議院 議院運営委員会 第47号
○参事(寺光忠君) 昨日澤山出て参りました政府提出案のうち、疑問のありますもの五件とそれから衆議院から参りましたものについて、初めに「榮典法案」でございますが、日本國憲法の施行に伴つて新たな榮典制度を創設する必要がある、これがこの法律案を提出する理由であると理由書に書いてあります。
○参事(寺光忠君) 昨日澤山出て参りました政府提出案のうち、疑問のありますもの五件とそれから衆議院から参りましたものについて、初めに「榮典法案」でございますが、日本國憲法の施行に伴つて新たな榮典制度を創設する必要がある、これがこの法律案を提出する理由であると理由書に書いてあります。
その内容をうかがいますと、わが國柄にふさわしく、平和勳章、文化勳章、功勞章、善行章、あるいは國家的記章などを設けまして新機軸を出さんと努めているようでありますが、この榮典制度の改革ということも、もともとわが委員會におきまして、第一囘國會、昨年八月以來しばしば討議研究せられてきたところであります。
なお國家としてこの問題を取扱うにあたりましては、今後榮典制度の運營にこれを大きく取上げまして、その適切な處理をはかることが必要であろうと考えておる次第であります。
實は内閣におきまして、ただいま榮典制度の改革を審議いたしておりまして、私も委員の一人でありまするが、今までは軍國主義的な勳章を差上げておつた。これはやめなければならぬことは當然でありまして、そうでなくても、ただ官吏として年限が經てば勳章を上げるというようなことは、どうかと思うのでありまして、少なくともまず第一には社會事業、保護事業等に、ほんとうに貢獻した人たちが表彰を受くべきである。
第一の榮典の問題でありますが、組閣後、早速榮典問題に關しまして、いかなる方法をもつて臨むべきか、封建的な、軍事的な今までの榮典を払拭いたしまして、眞に文化的に、将来の平和國家のための榮典を表彰するという建前をとらなければならぬというわけで、閣僚の五名を榮典制度調査委員といたしまして、目下審議いたしておる次第でありまして、なおこれを督励して、十分に御趣旨に副うように成果を現わしたいと存じております。
特にフランスにおいては、ナポレオン以来、國の盛衰にかかわらず、一貫した統一された榮典制度があるようであるし、英國のガーター勲章のごときも、その點においては相当の伝統をもつておる。現に文化勲章のごときは、今後永く持続すべきものであるし、芸術院賞とか、大臣賞などのごときも、これは今後続けられるべきものであると思います。
榮典の制度については、從來の榮典制度は、新しい民主的日本の建設とともに、幾多の點で改めらるべきものであると存じておりますが、その際には、ぜひともこの文化に對する功勞というものに對して、正しい榮典の制度が設けられなければならぬと存じまして、私ども及ばずながらこの方向にあらゆる努力をいたしたいと存じております。