2007-11-20 第168回国会 参議院 厚生労働委員会 第6号
この点につきましては、具体的に申し上げますと、解雇のルールにつきましては、最高裁判所の日本食塩製造事件判決によりまして解雇権の濫用ルールができておりました。幾らその最高裁の判例がありましても、法律がなければ最高裁判例と異なる判決を出すこともありまして、それがまた可能なわけでございます。
この点につきましては、具体的に申し上げますと、解雇のルールにつきましては、最高裁判所の日本食塩製造事件判決によりまして解雇権の濫用ルールができておりました。幾らその最高裁の判例がありましても、法律がなければ最高裁判例と異なる判決を出すこともありまして、それがまた可能なわけでございます。
この文言は、最高裁の日本食塩製造事件判決にある言葉をそのまま引用したものであります。元々、裁判所は法律上の根拠なしに判決を下すことができません。そのため、最高裁は判決を下すための根拠条文を民法一条三項の権利濫用という一般条項に求めざるを得ませんでした。 今回、国会が解雇全般に共通するルールを定める法律を作る際には、国会は裁判所とは異なり民法一条に依拠する必要がありません。
そもそも、最高裁の日本食塩製造事件判決で確立された解雇権濫用法理では、解雇に客観的に合理的な理由があることについて、形式的な証明責任は労働者が負いますが、実質的な証明責任は使用者に負担させております。今回の条文では、実質的な証明責任を使用者が負担することは全く明らかにされておらず、解雇権濫用法理を大きく後退させるものと言わざるを得ません。