1969-07-03 第61回国会 衆議院 外務委員会 第30号
つまり「海外渡航は、居住、移転の自由に属する基本的人権の一つであるから、旅券の発給拒否はもとより行政官庁の自由裁量の事項ではなく、法律で規定されるべきものであり、これは戦後、旅券制度に関する基本法規が戦前のような外務省令ではなく、法律として制定されるに至った最も大きな理由の一つである」と書いていますが、上述の実例は、いずれも旅券法制定の正当な趣旨に反するものだと申さなければなりません。
つまり「海外渡航は、居住、移転の自由に属する基本的人権の一つであるから、旅券の発給拒否はもとより行政官庁の自由裁量の事項ではなく、法律で規定されるべきものであり、これは戦後、旅券制度に関する基本法規が戦前のような外務省令ではなく、法律として制定されるに至った最も大きな理由の一つである」と書いていますが、上述の実例は、いずれも旅券法制定の正当な趣旨に反するものだと申さなければなりません。
旅券法制定当時の考え方と違ってきておるのではないかという疑いを私たち持っておるわけですが、その根本的な考え方をお伺いしたい。
○説明員(高木広一君) 旅券法制定当時と現在と、解釈は変わらないと思います。外務省といたしましては、第十三条第五号の「著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為」、「公安を害する行為」につきましては、法務省のほうに御相談申し上げます。
○林(修)政府委員 旅券法十三条第一項第五号につきましては、この旅券法制定の際にいろいろ御議論がございました。私もその当時法務府の法制意見第二局長をやっておりまして、ここで答弁したことがございます。
○松尾説明員 この現行旅券法制定の当時の経緯を聞いてみますと、私も当時はまだ渡航課長でなかつたのでありますけれども、聞いてみますと、日本の国民の方々は、各位ともに十分遵法精神に立脚せられて行動されるということを期待したそうであります。従つて別にこの義務規定、第八条の渡航先違反に対しまして、罰則を設けることはなかつたと言つております。
今日の欧米局長の御説明は、一年前にこの問題が起りましたときに、私どもは聞いたことはありませんし、当時の外務委員会の旅券法制定のときの解釈の中にも、こういう論議は一行も入つておりません。またそういう解釈は許さるべきものでもありません。
○石原(幹)政府委員 旅券の申請はただいまのところ、まだ正式に申請されたものはないのでございまして、申請が出て参りました際には、政府といたしましても、旅券法制定の根本精神並びにそのときの諸般の情勢等を総合判断いたしまして、この法に基いていろいろの判断を決定して行かねばならないのではないかと考えております。