1948-12-09 第4回国会 衆議院 予算委員会 第7号
お互い敗戰後國民全体がこうやつて苦悶の中に懊悩しておる次第でございまして、これをもつてただちに昔のような実質賃金に返ることはできない。昔の実質賃金であるならば、公務員は公務員としての生活もできましたのでありましようし、また品位も保つことができたのでありましよう。早い話が私は学校を卒業した当時七十五円いただきましたが、必ずそれで洋服二着買えた。
お互い敗戰後國民全体がこうやつて苦悶の中に懊悩しておる次第でございまして、これをもつてただちに昔のような実質賃金に返ることはできない。昔の実質賃金であるならば、公務員は公務員としての生活もできましたのでありましようし、また品位も保つことができたのでありましよう。早い話が私は学校を卒業した当時七十五円いただきましたが、必ずそれで洋服二着買えた。
これにつきましては、一般の日本警察機能の低下、その他諸般の事項がこれが原因として考えられるのでございますが、又特に敗戰後國民全體が一樣に卑屈なる喪心的状態にあるに應じまして、在留朝鮮人の一部の中には、自己を以て戰勝國民と同樣の地位にあるものとの誤解に基いて、日本國及び日本國民に對するに当り、日本の法律を無視して治安を紊亂するの行動に出でたるものでありまするけれども、その對策を當時の政府において確定するに
敗戰後國民の生活になくてならないものであつて、而も日本の絶対量の足りないものは、大抵統制されており、必要以上のものは隱匿物資として摘発もせられておりますし、貨幣の場合は、封鎖されたり、新円の切替えなんかありまして、大体今までの生活が御破算されまして、國民の生活が平均化されておるはずでございますけれども、ただこの焼けなかつた家庭の持つておる被服、これに私は着意いたしたいのであります。
第四には、失業は社會不安を來す危險が多分性にあるのでありまして、多數の無資産なる勞働者が長期にわたつて失業するということは、あるいは暴動反逆の誘因ともなるのでありまして、敗戰後國民道徳悪化の日本の國情からみて、特にこの點考えなければならぬのであります。
これはまだ敗戰後國民が、いわゆる精神的に虚脱状態から脱却しておらぬ、また新たに起つたところの勞働運動が、われわれが從事しておつたところの勞働運動のような、健全な勞組合主義というものの本質をつかんでおらぬ。こういう點も認めざるを得ない。こういうぐあいに考えておりますので、勞働教育の必要なることをますます痛感する次第であります。