1952-07-30 第13回国会 衆議院 文部委員会 第43号
この特例法は、いわゆる対日平和條約の十五條(C)項に基いて、連合国人著作権に関する特例を設け、戰時加算期間を設けようとするものであります。
この特例法は、いわゆる対日平和條約の十五條(C)項に基いて、連合国人著作権に関する特例を設け、戰時加算期間を設けようとするものであります。
その論旨を要約してみますと、四條二項の戰時加算期間控除の規定は條約違反であり、原文に「発生」とあるのを「取得」と改め、原文に規定のない承継取得を加えたのは不可である。しかも四條二項を入れるために関連規定として三條と七條を入れたのもこじつけである。條約原文によると戰時中に発生した著作権の控除は認められていない。つまり戰時加算期間全部を加えなければならないことになるから條約違反となる。
それはどういう方法かと申しますと、コピーライトが一九四五年と書いてございますれば、その翌年から考えまして十年間は国内法第七條によつて保護されるわけでございますので、十年間を加え、そしてさらに戰時加算期間というものを加えるわけであります。ところが、戰時加算期間というものは、実はわれわれには最初に相当問題でございました。
次に著作権のうち飜訳権につきましては、以上のような十年六カ月の戰時加算期間になお六カ月を加算することにいたしております。第三に、以上申上げましたような著作権の保護期間の延長は、平和條約発効の日において連合国又は連合国民の有する著作権についてのみ適用ある旨を定めております。第四には、連合国及び連合国民の著作権に関する譲渡等について第三者に対する対抗要件を定めております。
○渡部委員 一般の著作権の問題ではなくて、戰時加算期間的なものが、日本人の原著者の場合にも保護されるのかどうか。現に戰時中、日本人原著者の著作が、諸外国に翻訳されるような場合が、しばしばあつたわけであります。こういう場合を私は想定して言つておるわけでありますが、その点はどうですか。
○近藤(直)政府委員 ただいまの戰時加算期間でございますが、これは平和條約の第十五條(C)の二項に要求していると考えますが、それによりまして、ただいま提案いたしました特例法を制定したわけでございます。
○渡部委員 沖合君の質問に対して今度の法案は、平和條約に基いた国内法として制定したのだという説明があり、さらに平和條約十五條(C)には、いわば戰時加算期間というものは要求されていない。この要求されていない場合に、日本で戰時加算期間というものを特に設けなければならなかつた理由は、どこにあるかという点を、まず聞きます。