1948-06-09 第2回国会 参議院 本会議 第46号
併しながら今日は、戰勝國民と雖も、可なり重き租税の重圧に喘いでおることは御承知の通りでありまして、現にイギリスのごときは、六万ポンドの年收を持つ人に対して六万五千パウンドの税金を課しておる。そうして高能率、低賃金の方針の下に、國民に向つて多大の犠牲を求めているが、彼らはこれを納得して、孜孜として再建に励んでおるという実例を我々は眼前に見ておる。
併しながら今日は、戰勝國民と雖も、可なり重き租税の重圧に喘いでおることは御承知の通りでありまして、現にイギリスのごときは、六万ポンドの年收を持つ人に対して六万五千パウンドの税金を課しておる。そうして高能率、低賃金の方針の下に、國民に向つて多大の犠牲を求めているが、彼らはこれを納得して、孜孜として再建に励んでおるという実例を我々は眼前に見ておる。
われわれ日本人大衆が朝鮮に対して現在反感をもつておるのは、終戰後に朝鮮の人があまりにも戰勝國民のような顔をして威張つて、いろいろ乱暴なことがあつたから、それに対する反感でありますけれども、われわれから考えればああいう反感が起きるのは起きるべき事情ががあつたと思うのであります。
然るに我が國に居残つた朝鮮人諸君の中には、戰勝國民と共に第三國人であるという常識が強く、恰も治外決権を持つておるかの如き振舞をする者がありまするのは遺憾なことであります。今回の神戸、大阪の事件もこうした誤つた意識から発生したものではないかと考えられる節があるのであります。私は今回現地において詳細調査の結果、事が意外に計画的、組織的であつたことに驚いたのであります。
これにつきましては、一般の日本警察機能の低下、その他諸般の事項がこれが原因として考えられるのでございますが、又特に敗戰後國民全體が一樣に卑屈なる喪心的状態にあるに應じまして、在留朝鮮人の一部の中には、自己を以て戰勝國民と同樣の地位にあるものとの誤解に基いて、日本國及び日本國民に對するに当り、日本の法律を無視して治安を紊亂するの行動に出でたるものでありまするけれども、その對策を當時の政府において確定するに