それで、一方、製造物責任法でございますけれども、製造物責任法は、昭和五十年に私法学会によるいわゆる我妻試案が発表されたわけですけれども、その昭和五十年から約二十年かかってこの法律が、製造物責任法ができたということで、片や二十年、片や二年だということを考えますと、二年で成果を得た消費者契約法案は、その範囲、これも製造物責任法よりもはるかに広いわけですけれども、ということを考慮しますと、比較的短期でまとめられたのではないかという
金子孝文
局長、この我妻試案にも今の問題は指摘されております。民法学者がこの問題についての導入を考えなければいけないと言っている。我妻先生というと、これは我妻先生だけではなくて、星野英一教授を初め竹内昭夫先生、日本のそうそうたる人たちの提案であるわけですから、原点に戻って、ひとつこの機会に研究してみてください。
それから、次の問題にいたしましたのは、因果関係の推定問題です、欠陥の推定。
佐藤剛男
それでは法務省、私が言いましたこの我妻試案、一番早い昭和五十年に出したものとこの六条、本案との根本違いを三つ言ってください。
佐藤剛男
三つと言われますとやや迷いますが、大きな点では、例えば推定規定を我妻試案では採用しておりますけれども、今回の法案では採用しておりません。
それから、欠陥の定義規定、これは本法案では「通常有すべき安全性を欠いていること」となっておりますけれども、我妻試案では「製造物の通常予見される使用に際し、生命、身体又は財産に不相当な危険を生じさせる製造物の瑕疵」というぐあいになっております。
升田純