1999-05-13 第145回国会 参議院 法務委員会 第10号
これについてまず申し上げますと、不法入国というのは、講学上といいますか、通常刑事的な言い方では即成犯と言われております。これは法の予定する法益侵害が生じたことによって完成、完了するというふうに通常定義されております。
これについてまず申し上げますと、不法入国というのは、講学上といいますか、通常刑事的な言い方では即成犯と言われております。これは法の予定する法益侵害が生じたことによって完成、完了するというふうに通常定義されております。
そうしますと、侵奪という言葉を用いるならば、これは明らかに即成犯的な観念でございますが、そうするといわゆる他人の土地に立ち入るという行為と一体どこで区別がつくのか、使用窃盗というものは動産にはございませんが、不動産の場合にはその不動産の財産的利益が侵害されておるということは、明らかにこれは長時間を要します。
それから志賀委員のおっしゃいました中で重要なのは、われわれが継続犯か即成犯かを非常に問題にしているのに、法務当局がこの問題を一条でしか触れておらないということであります。イタリア刑法を中心にして考え、ローマ法のボセシオの原理を考えたら、これはどうしたって継続犯にならざるを得ないのですが、そこまで討議しておらなくて、一般の窃盗犯という認識が頭にあって侵奪犯という言葉をお使いになったと思います。