1955-07-11 第22回国会 衆議院 農林水産委員会水産に関する小委員会 第5号
しかもその徴用漁船の国家補償というものは一隻当り五万円だったと記憶いたしております。二十一年ごろの建造費から見ましても、これはおそらく一トンに価するくらいの建造費にしか当らなかった、そういう微々たるものだと私は考えます。そういう非常に悲惨な犠牲を払った人たちが、今日まだその代船を作れないでほんとうに因っておるというのもまたたくさんあると私は考えております。
しかもその徴用漁船の国家補償というものは一隻当り五万円だったと記憶いたしております。二十一年ごろの建造費から見ましても、これはおそらく一トンに価するくらいの建造費にしか当らなかった、そういう微々たるものだと私は考えます。そういう非常に悲惨な犠牲を払った人たちが、今日まだその代船を作れないでほんとうに因っておるというのもまたたくさんあると私は考えております。
終戦後徴用漁船の代船建造資金として昭和二十二、三、四年の三カ年間に復興金融金庫から融資を受けたものが二十六名、六千五百十四万円であるが、その後の事故によつて現有数は二十四隻、五千八百五十四万円の借入金となつております。償還状況は極めて悪く僅かにに一名が二百四十万円の半額百二十万円を償還しているに過ぎないので、実情を調査し、償還計画を樹立し、償還督励に努力しているということでございます。
われわれといたしましては、滅失徴用漁船の代船建造について、從來の補償打切の關係から、特に復興金融金庫に融資を頼む以外に方法のないようなものがあるわけであります。そういうようなものはでき得る限り優先的に個人の方のめんどうを見ております。そうして、大きな會社關係のものについては、できるだけ復金からは出さずに、一般の金融機關から融資にまわつてもらうというふうに指導をいたしておるわけであります。
これは先ほど申し上げましたように、特別の扱いとして特殊な、殊に減失徴用漁船の代船のごときは復金でやつております。これ以外は勸銀でありますとか、興銀でありますとか、そういうふうに比較的水産方面に關係の深い、取引の多い銀行で見てもらつておるという實情になつております。いつも資金の問題が最近非常にやかましい問題になり、資材、資金は絶えず水産でも面倒な問題であります。
ではその問題は打切つておきまして、簡單に漁港のことを先ほど先覺者である夏堀君からも申し上げておつたようでありますが、滅失徴用漁船の問題について、あなたは隻數では既に飽和點に達していると仰せられたのであります。
今四次の建造許可一體中止をせられましたものの中には、實はわれわれとして何とかしてやりたいと考えておりまするところの、滅失徴用漁船の新造が相當あるわけであります。しかしながら實際問題として、われわれはできるだけ早くそういう人の立直りを希望しておつたのでありますけれども、そういう方面の立直りが遲れましたために、こういうふうな状態に相なつております。
滅失徴用漁船が第二封鎖になつており、當時も非常に困つておりましたが、こういう人達が、代船の建造資金を借りる場合には、復興金庫で優先的に借りる、つまり補償金はとうてい拂うわけにいかないため、金融上特別な措置をしようということで、復興金融金庫が優先的にこういうものについて資金のめんどうをみるということで、私どもも金融上のめんどうをみようということに考えている次第であります。