1956-03-26 第24回国会 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第9号
さて引揚船大成丸入港当日の三月六日は、早春とはいえ、空はどんよりと曇り、今にも降り出しそうな、うすら寒い天候でありまして、湾をめぐる丹後の山々や援護寮の日陰にも残雪が解けやらず、冬のなごりをとどめているというふぜいでありました。
さて引揚船大成丸入港当日の三月六日は、早春とはいえ、空はどんよりと曇り、今にも降り出しそうな、うすら寒い天候でありまして、湾をめぐる丹後の山々や援護寮の日陰にも残雪が解けやらず、冬のなごりをとどめているというふぜいでありました。
来る六日にソ連地区抑留同胞十八名を乗せた引揚船大成丸が舞鶴に入港する予定になっております。またモロタイ島より同胞が来る十五日ごろ大阪港に引き揚げて参ります。それで、本委員会といたしましては、引き揚げ状況及び援護状況調査のため、委員を派遣して調査いたしたいと思いますが、議長に申請する手続、派遣委員等については、すべて委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
上陸終了後、引揚船大成丸に椎名船長以下をたずね、その労苦をねぎらい、また古田日赤乗船代表らとも会見いたしまして、引揚業務の状況を聴取いたしました。それによりますと、ナホトカにおいては、ソ連側より予想外の優遇を受けたとのことでございます。また船中におきましても乗り組みの実習生がよく奉仕をいたしまして、引揚者みずからも交代で病人の看護等に当ったということであります。