1984-07-31 第101回国会 参議院 地方行政委員会 第21号
一九五六年に成立した売春防止法は先輩たちの長い廃娼運動の努力の結晶とも言うべきものですけれども、国家としての売春絶縁宣言であり、女性の人権を擁護した画期的な立法であったと思います。
一九五六年に成立した売春防止法は先輩たちの長い廃娼運動の努力の結晶とも言うべきものですけれども、国家としての売春絶縁宣言であり、女性の人権を擁護した画期的な立法であったと思います。
八十有余年の長きにわたる廃娼運動の歴史は、本法案の成立により、初めて実を結ぶのであります。先輩の婦人たちが、婦人参政権獲得に戦うとともに、廃娼運動を推し進めて参りましたが、その女性史を顧みまして、婦人の立場から、感慨無量のものがあり、まことに喜びにたえません。ここに至りましたのも、売春問題対策審議会委員の皆様と、衆参両院議員の御協力によることと、深く感謝いたします。
明治四十四年以来、私は廃娼運動に一生を捧げて参った者でございまして、当時島田三郎さんを会長とする廓清会に入りまして、廃娼運動を担任したのでございます。島田先生がなくなられますと、副会長であった安部磯雄さんが理事長となられ、私は常務理事として廃娼運動を担当して参りました。
その後私は今まで廃娼運動を続けて参っております。それで二十一年に初めて公娼廃止ができたとおっしゃいましたが、それは全国的には二十一年に初めてできたのでございますが、私どもの運動はその前に二十二の県会で公娼廃止の建議案を出しましてそれが通過しておるのでございます。それから十八の県で公娼廃止の実施をいたしました。
かつて私どもが廃娼運動をいたしました場合、芸者などが私どものうちあたりに逃げて来たことがある。そうしてそれをわれわれが救つてやろうとすれば、警察が当時の取締りでもつてまず詐欺であるとして出頭を命じて連れて行つてしまつた。そういうことは今はありません。大分よくなつたけれども、しかし相当弊害があるということをお認めになつて、こういう弊害に対しては除去されることに御努力願いたい。