1947-09-16 第1回国会 衆議院 司法委員会 第31号
○奥野政府委員 この點もすでにいろいろ問題になつたのでありますが、要するに憲法の趣旨からいたしまして、從來のように戸主及び家族ということを認めて、戸主が家族に對していろいろ居所指定權であるとか、あるいは婚姻、養子縁組等の身分上の行為について、一々これに戸主が同意を與えるかどうかというようなことによつて、その身分上の行為について制約をいたす、あるいはまたその他各般の、言いかえればその家にはいるあるいはその
○奥野政府委員 この點もすでにいろいろ問題になつたのでありますが、要するに憲法の趣旨からいたしまして、從來のように戸主及び家族ということを認めて、戸主が家族に對していろいろ居所指定權であるとか、あるいは婚姻、養子縁組等の身分上の行為について、一々これに戸主が同意を與えるかどうかというようなことによつて、その身分上の行為について制約をいたす、あるいはまたその他各般の、言いかえればその家にはいるあるいはその
いわゆる戸主權、あるるいは居所指定權のごときものをなくした、そういうものを取拂つた家、そういうふうのものを殘したい、私はそう考えるのでございます。いわゆる家というものは、何らかの形において存續するのがいい、こう私は申し上げたいのであります。考えてみますのに、法はいわゆる國民か遊離してしまうのが一番困る問題でありまして、國民の生活に國家の統治は内在させなければならない。
家督相續の廢止を可とする方の御議論の中にはかつて封建時代から、いやずつと昔から家督相續のためのお家騒動が多かつた、これも前論者がおつしやつたところでありますが、これは相續者が家族に對してその生殺與奪の權があつた、そしていわゆる居所指定權、戸主權の濫用による結果、この相續という問題を絶對に廢止してしまえという御議論も強いかと考えるのであります。私はこう考えております。
戸主權の濫用の中でも特に問題となりましたのは居所指定權、戸主としての居所指定權を濫用する。この濫用によりまして、居所指定に違反する者に對して、離籍をするということが、戸主權の濫用としてずいぶん行われた。これがずいぶん非難の的と相なつたのであります。
○明禮委員 元來家を廢する措置法ができたということが、私どもおかしなように思つたのでありますが、なるほど今お話の通り、戸主權というものを振りまわして、居所指定權、それに從わなかつたら籍をはずすとかいうようなことをやる惡い一點だけを見てあると思うのであります。