1964-04-21 第46回国会 衆議院 法務委員会 第28号
私は一つの極端な例としてこの問題を取り上げたのですけれども、従来から小作争議というものは——戦前におきましては、小作民というものはきわめて条件の悪い立場に置かれました。私も、学生時代でありますが、全国農民組合福佐連合会というのに書記として働いたことがあります。
私は一つの極端な例としてこの問題を取り上げたのですけれども、従来から小作争議というものは——戦前におきましては、小作民というものはきわめて条件の悪い立場に置かれました。私も、学生時代でありますが、全国農民組合福佐連合会というのに書記として働いたことがあります。
また今の最後の点で一つだけ私おかしく思っておりますのは、農地改革の当時におきましては、生産向上を中心にしておりまして、小作民の地位の向上、あるいは現物小作を金納にしていった。今までの小作民の圧迫に伴う問題、小作料の問題が中心であって、その点はすなわち生産向上という、食糧難に伴う問題を取り上げておったのであります。
形の上においては、土地取り上げ等につきましては、やはり小作民の合意のもとにというように、書面の上においては形式に整っておりますが、実情を調べてみますと、全くそれと一致しない。にもかかわらず、県の農業会議は、予算がないために、その実情を調査に行く旅費がないので、それがためにやむを得ず文書審理でこれを処理せざるを得ないというのが全国的な実情なんです。
曾つての農民組合はこれは地主に対する小作民の運動であります。今の農家は土地を持つておりますが、これは完全な所有権を持つておるとは思いません。耕作権、完全な耕作権を持つているのであつて、所有権じやないのです。最終の所有者は私は国家が土地を持つておると、こう考えたほうがいいと思う。
この土地を賣り渡して、小作民からとつた金は三十一億ある。しかるに地主に渡した、買收した金はわずかに十億しかない。二十一億を政府がねこばばをきめまして、これを大藏省の預金部に黒字といつてたたき込んでいる。おどろくべきことだ。(拍手)一体こういう賣買の途中に立つて、政府がどんな金を一日とても持つていてはいかぬのではないか。