1973-09-22 第71回国会 参議院 本会議 第36号
政府は、口を開けば、法治国家である、国民は法律を守れ、尊法精神を持てと言ってまいりました。その政府みずからが憲法を踏みにじってきたことは、その責任はまことに重大と言わなければなりません。 長沼判決が違憲の判決を出すやいなや、政府は統治行為論で逃げようとする気配がきわめて濃厚であります。
政府は、口を開けば、法治国家である、国民は法律を守れ、尊法精神を持てと言ってまいりました。その政府みずからが憲法を踏みにじってきたことは、その責任はまことに重大と言わなければなりません。 長沼判決が違憲の判決を出すやいなや、政府は統治行為論で逃げようとする気配がきわめて濃厚であります。
ですから、まあ法治国家であるとか、法は尊法せよとかおっしゃるけれども、これは尊法精神を大いにそこないますね。まあ言うならごまかしごまかしでやってきておるわけですから。そして法は守れと。これはたいへんな問題だと私は思うんですけれどもね。受けとめ方がきわめて弁護士的ですな。それは弁護士ですからやむを得ない点もありましょうけれども。
すなわちこの人たちに尊法精神がなくなる。これが私たちの一番おそれるところです。今日、日本の法治国として守らなければならぬことは、たとい悪法なりといえどもこれを守ることが、奉仕する国民たる者の任務でなければならぬ。私はその根本の思想がこの法律を守るという精神が、政府みずから行われないとするならば、国民多数の人が国の法律を守ろうという気持のなくなることは、当然のことといわなければならぬ。
それから五の法律的のことはどうも私はよくわからないのですが、ここでお話の要があれば私どもも尊法精神は十分に持つておりますのでやはり手続は手続としてやらなければならないと思つております。
その数が五十万或いは三十万と言つておるのでありますが、我々はこのような沢山の法律の中で生活をいたしておるのでありますが、これでは国民に尊法精神がなくなるのであります。そこで誰かやらなければならないのでありますが、現政府はこの法律を整理するために一大調査委員会のようなものを設けて、調査機関を設けて、国民が分り易い、而もこの尊法精神が国民によつて発揚さるるようにするお考えはないかどうか。
尊法精神の大切なことについては御同感であります。そして今お示しになつた、列挙せられた事実と法との関係がどうであるかということは、今ちよつと私にお答するだけの自信がございませんから、取調べますが、仮にそれが法に準拠いたしておつても、その法は甚だ不便な法と考えられますから、然るべき善後策を講じたいと思います。一應のお答をいたします。(拍手) 〔國務大臣殖田俊吉君登壇、拍手〕
○片山國務大臣 中野君の第一の原君の問題のような事件についてのお尋ねでありますが、これは、はなはだ望まないことでありますが、かりにそういう問題が再び起るようなことを想像して見ますと、檢察廳がぜひとも、わが國の犯罪捜査の上から、及び治安維持の上から、さらに尊法精神の徹底というような上から、どうしてもやらなければならない手続であるとして申し出してくる場合においては、万やむを得ないと思う次第であります。