1995-06-01 第132回国会 参議院 労働委員会 第12号
この違憲の判決後、法務省といたしましては、直ちに尊属に対する殺人事件の実態とこれに対する社会一般の評価及び裁判例等を総合的に検討いたしまして、尊属加重規定を全部削除する内容の刑法の一部を改正する法律案を提出すべく準備をいたしましたが、関係方面との調整が調わず、法案の成立には至りませんでした。
この違憲の判決後、法務省といたしましては、直ちに尊属に対する殺人事件の実態とこれに対する社会一般の評価及び裁判例等を総合的に検討いたしまして、尊属加重規定を全部削除する内容の刑法の一部を改正する法律案を提出すべく準備をいたしましたが、関係方面との調整が調わず、法案の成立には至りませんでした。
本法律案は、刑法を国民に理解しやすいものとするため、その表記を現代用語化し、あわせて刑罰の適正化を図るため、最高裁判所の違憲判決を受けている尊属殺人に関する規定及びこれと関連するその他の尊属加重規定、並びにろうあ者の行為に関する規定を削除しようとするものであります。
今回の尊属加重規定の削除なんですけれども、これは刑法二百条が違憲とされた昭和四十八年の最高裁で審理されたケースですけれども、この資料を読ませていただきました。十四歳の実の娘を父親が強姦して、以来十五年間姦淫行為を続け五人の子供まで産ませてしまったという、これは大変な暴力をもって人の幸福を踏みにじる、人権も奪うというこういったケースでございます。
それで尊属加重規定の削除等も行われたわけでありますが、そういう意味では強盗傷人罪の刑の不均衡というのがなぜ今回是正がなされなかったのかというふうに考えます。
その後、四十九年に尊属加重規定の削除を盛り込んだ改正刑法草案の答申を受けまして、各方面の御意見、批判を参考としながら政府案作成の検討作業を続けてまいりましたけれども、刑法の全面改正についてはこれもまた大変多くの意見、また反対意見も数ございまして、国会提出に至っていなかったところでございます。
それに対しまして、英米法系の国は歴史的に特に尊属加重規定というふうなものが設けられたということはないように承知しております。
ただ、当時、御案内のとおり、刑法の全面改正作業が行われておりまして、その過程で既に尊属殺人その他の尊属加重規定の取り扱いについても議論がなされておりました。
その結果を申し上げますと、尊属加重規定を設けております国は六カ国、それから尊属加重規定のほかに配偶者あるいは卑属等に対する加重規定を設けている国が同じく六カ国、残りの十八カ国についてはいずれの面についても特に加重規定は設けていない、こういうふうな状況が把握できた次第でございます。
その二は、尊属加重規定の削除であります。
次に、尊属殺規定についてのお尋ねでございますが、法務省におきましては、最高裁判所の違憲判決後、直ちに尊属に対する殺人事件の実態とこれに対する社会一般の評価及び裁判例等を総合的に検討いたしました結果、尊属殺規定を削除し、あわせて尊属傷害致死、尊属遺棄及び尊属逮捕監禁に関する規定も削除することを相当と考えまして、法制審議会に諮問し、その答申を得、尊属加重規定を削除する内容の刑法の一部を改正する法律案を第七十一回国会
次に、尊属加重規定削除の理由についてのお尋ねでございますが、最高裁判所は、尊属に対する尊重報恩は社会生活上の基本的道義であって、このような自然的情愛ないし普遍的倫理の維持は刑法上の保護に値する。尊属に対する犯罪を重い社会的道義的非難を受けるものとして一般的に刑を重くすることは直ちに不合理な差別とは言えないとしております。
第一に、内容の変更を伴う改正は行わないとの基本方針のもとに、次の二点を除き、刑法典の条文を可能な限り忠実に現代用語化して平易化すること、 第二に、最高裁判所の違憲判決を受けている尊属殺人に関する規定を削除するとともに、これとの均衡等を考慮し、その他の尊属加重規定を削除すること、 第三に、いん唖者の行為に関する規定を削除することであります。
まず、刑法の一部改正に関しまして、尊属加重規定の一括削除が今回出てきたわけでありますが、このこれまでの経過について若干質問いたしたいと思います。
ただ、尊属加重規定が刑法から削除されたゆえに、かつての言葉で言えば孝の徳が守られ、なくなったら孝の徳が守られなくなる、こういうような考え方をとっておるわけではございません。尊属加重規定を削除するということは、決して尊属、つまり親をないがしろにするということではない、これはもうはっきり申し上げられることでございます。
さらにまた、御案内のとおり昭和四十九年九月にも、これは刑法二百五条二項の尊属傷害致死罪についての合憲の判決でございまして、そのときにもこの尊属加重規定を設けること自体が直ちに憲法に違反するものではないと最高裁判所も考えていると理解されるわけでございます。
そこで、内容についてでありますが、尊属加重規定及び聾唖者に関する規定の削除を除いて内容の実質的な変更はないということでございます。言葉を変えても解釈が変わらないという案を作成するについては、専門家の間でもさまざまな議論があったと聞いています。
次に、この現代用語化による平易化というものは刑法全般にわたっておりますけれども、一万条文の削除で提案のある尊属加重規定、それから聾唖者の行為、この二つといいますか、これだけに限って特に提案をされているわけですけれども、これはどういう理由によってこういうふうにされたのでしょうか。
ちょっと時間がないので次の質問に移りますが、今回、大変少ない内容の改正の中では、尊属加重規定、これが削除されたわけであります。 この問題につきましては、刑法が行動規範という側面も持つという意味合いから、純粋な法理論だけではなくて、日本人としての文化というか、精神論という面からも考える必要を説く方が多くいらっしゃいます。
その二は、尊属加重規定の削除であります。
次に、尊属殺人並びに尊属傷害致死、尊属遺棄及び尊属逮捕監禁の各尊属加重規定の削除についてお尋ねいたします。 まず、尊属殺人罪に対する昭和四十八年の最高裁判決は、いわゆる手段違憲の立場であります。
さきの第百二十回国会におきまして、衆議院及び参議院の各法務委員会におきまして、刑罰法令の現代用語化、尊属加重規定の見直し等について政府は努力すべきである旨の附帯決議がなされております。
あわせて、これに関連いたしまして、その後の尊属加重規定の運用状況等々を見まして、一連の尊属加重規定についてもこの際一括して削除するのが相当じゃないか、こういう考え方のもとで原案を提出し、審議をいただいているところでございます。
この間におきましていろいろと御議論のございました尊属殺規定等他の尊属加重規定についても、過般当委員会でお答えを申し上げましたけれども、全面削除するということで諮問をさせていただいているところでございます。 これから法制審議会におきまして鋭意御協議、御調査をいただいて、できるだけ早い機会に答申を賜り、法制化を図って国会での御審議をお願いしたい、このように考えているところでございます。
それからもう一つは尊属加重規定、これも私どもかねてから憲法に違反するのではないかということで考えておりましたが、これの削除も審議会から出されている。 これをお受けになりまして刑法改正を来年通常国会に提出をしたいというふうな御意向と承っておりますが、御決意のほどをちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
法務省といたしましては、近く法制審議会に諮問する予定の平易化のための刑法改正作業の機会に合わせまして、法制審議会答申に沿って、尊属加重規定を全廃する方向で検討してまいる所存でございます。
「犯罪と処罰に関する世論調査」につきましては、死刑制度及び刑法上の尊属加重規定に関する国民の意識を調査し今後の政府の施策の参考とするために、法務省からの要望を踏まえ実施をしたものでございます。
直ちに当該条文は法律が無効になるという考えではございませんけれども、最高裁判所の判決を尊重するというたてまえから、当時、この二百条をどうすべきかということを法務省としては考えまして、尊属殺人の実態あるいは尊属に対する考え方の世間的な評価というようなものも考えまして、立法政策といたしましては、最高裁の判決を尊重するたてまえから尊属殺の規定を削除すべきだという考えで、そして最も重い殺人の罪について尊属加重規定
当時最高検察庁におきましては、当分の間、これら違憲と直接された犯罪でないが尊属に対する加重規定の適用されるべき罪の事件につきましては、それを処理する場合あるいは求刑を行う場合に、あらかじめ最高検に相談をして求刑等をきめなさいという指示をいたしておりますが、この通達も、その後一年を経過いたしましたころ廃止されておりますので、現在のところは尊属の致死とかあるいは逮捕監禁という罪につきましては、従来どおりの尊属加重規定
しかしながらこれは尊属加重規定がなくとも、百九十九条の普通殺人罪の法定刑の上限は死刑でございますので、その重い犯情に応じた刑を科すということは、十分この規定で可能となるわけであります。 また、わが国におきます家族構成の推移を見ますと、いわゆる核家族化という現象が著しい、特にその場合、都市部においては農村部においてよりもその傾向が著しいということがいわれております。