人間の安全保障が出てきた背景は、先ほど報告させていただきましたが、冷戦崩壊後で、冷戦当時は国と国と東西対立、国家間の軍事的対立が非常な関心事だったわけですが、冷戦が崩壊したことによってその軍事対立に回されていた資源が人々の生活だとか開発に回されるという期待が持たれたわけですが、結果的には、先生御指摘のとおり各地で内乱であるとか地域紛争が起こって人々の生活自体が脅かされると、そういう事態が起こってきたんだと
松下和夫
ところが一方では、またこれは十月二十八日の衆議院における発言だと思いますが、基本的には対立国家の一方を認めて他方を認めるということはできない、このように封鎖するようなニュアンスのある発言をされております。白紙というのと、それから封鎖をしたようなニュアンスを持った発言とではだいぶまた影響が違ってくると思いますが、総理の見解を尋ねておきます。
二宮文造
民族の悲願から申すならば、朝鮮民族は単一国家でありたい、いわゆる対立国家というような形では、長くはそういう状態を続けたくはないという、これは民族の悲願だと、かように私はいま思っておりますが、この民族の熱願から申すと、これはやはり一国というか、独立した国との交渉だということにならざるを得ないのです。
佐藤榮作
○佐藤内閣総理大臣 韓国と北鮮との関係、これはしばしば問題になっておりますように、いわゆる朝鮮半島に二つの実質的な権威があるという問題でございますが、この場合にいわゆる分裂国家と申しますか、あるいは対立国家と申しますか、同一民族が二つの権威のもとに統治されているということ、これはたいへんな不幸でございますから、これが単一になるということを心から願っておる。
佐藤榮作