1960-05-18 第34回国会 衆議院 社会労働委員会 第38号
そして国家公務員法が制定されて以後、概念としては従来の官吏制度というものがあっても、これを名称としては用いないというときに、まだこれが残っているということは、これは非常に古い官吏万能時代の思想である。官吏という名前をつければみんなが喜んでるであろうということで、その一角が今日残っておる。ところがこの官吏なる魅力は、今日はもうなくなった。
そして国家公務員法が制定されて以後、概念としては従来の官吏制度というものがあっても、これを名称としては用いないというときに、まだこれが残っているということは、これは非常に古い官吏万能時代の思想である。官吏という名前をつければみんなが喜んでるであろうということで、その一角が今日残っておる。ところがこの官吏なる魅力は、今日はもうなくなった。
こういうところから考えて恩給制度には古い官吏万能時代、高官と下級者がぐんと開き、高級者がいばった時代の下級の犠牲者がそのままの形で残されているという現象がある。これを何かの形で救わなければならぬということになると思うのです。こういう制度上の欠陥者がおるということに対して、これを今松長官非常に気の毒に思いませんですか。
すべて日本の官吏のあり方というものが、官吏万能という観念がまだ拂拭されていないのです。これは私は今日の官吏の考え方として改めて頂きたいと思うのです。官吏は国権を背景にして、国民に対しましては絶対権を持つというような考え方がたまたま本法に現われておると言わなくちやならんと思う。だからそういう考え方は私は拂拭して頂きたい。
戰争から終戰までの間は、官吏万能の全体主義国家の時代であつた。終戰後において、初めて選挙され、すでに三回選挙されて今日の世の中になつた。国是が民主国家となつたのである。
勿論これをやりますというと、同じ河川でも対岸とか或いは上流、下流におきまして利害が相反するようなことがあるのでありまするから、これは国家の法と相当な関連を持たして、そこに監督或いはその他の規定を設ける必要があるだろうとは思うのでありまするが、少くとも官吏万能の治水の技術から脱却して、民衆一人々々の力を結集してこれに当るような態勢をとることが必要と思つております。
サーベル國家、あるいは官吏万能の國家観念を放擲いたしまして、眞に民主國家としての仕事をしなければならないのであります。(拍手) 國家は、國民の幸福のために多くの仕事をしなければなりません。國民幸福のために産業の発展に率先するのであります。國家は決して権力、服從の関係をもつて臨むのではなくして、國民全体の幸福のために、率先福利民福の事業に携わるのであります。