1955-07-21 第22回国会 参議院 商工委員会 第29号
陶磁器業界は、昨年、素地業者、完成業者、輸出業者の各団体間で、輸出振興総合対策を樹立し、三者相協調して着々効果を上げて居ります際、今回のごとき輸出側に偏した法案が決定されるといたしますれば、せっかく円満に進んで居る生産、輸出両団体の協調にひびを入れる結果ともなるのではないかと危ぐされておるのでございます。
陶磁器業界は、昨年、素地業者、完成業者、輸出業者の各団体間で、輸出振興総合対策を樹立し、三者相協調して着々効果を上げて居ります際、今回のごとき輸出側に偏した法案が決定されるといたしますれば、せっかく円満に進んで居る生産、輸出両団体の協調にひびを入れる結果ともなるのではないかと危ぐされておるのでございます。
ことに加工完成業者の立場というものをさらに一言申し上げますれば、戦前はこれが問屋的色彩を帯びておりまして、注文の多い場合は問屋の持つております生地を活用する、生地の生産と同時に問屋の持つておる生地を活用してその需要を満たす。また注文が縮小いたしまして少いときには、余つた生地は問屋の業者のところで完成業者が買い入れて、いわゆる一つのダムの役割を務めていたのであります。
(4)資金の積立て、最低価格を協定する品種については、その取引額に対し完成業者をして一定の積立金を行わしめ、特定の機関において、共同にこれを管理する。本積立金は一定期間後にはこれをその積立者に返戻するを原則とするも、待に関係者の決議ありたるときは、積立金の一部を輸出振興の共同費用に使用することができるものとする。
それから計画生産ということは、従来はめいめいたとえばわれわれ素地業者は完成業者といがみ合う、完成業者は輸出業者といがみ合う、おのおの立場が違つておりましたのが、現状の悲境どん底に陥りましたために、これではならぬというので、皆が手を握り合うことにしようじやないかということになつて、今度の総合対策でお願いしているわけでございます。従いましてこの三者のものが団体協約をお互いに結ぶことにいたします。
陶磁器の輸出されるまでの径路を簡単に申し上げますると、生地の生産者と輸出業者との中間におおむね問屋が介在しておりまして、この問屋が生地生産者から製品を買い取つて、これに上絵付を施すために、これを完成業者とも言つておりますが、陶磁器の場合、生地と称するものはすでに完成品であり、この生地が何らの加工を施さずして輸出される場合もあるのであります。
それから完成業者でやはり五回の手続。それから絵付業者で五回の手続。それから絵付専業者——これは下請になるのですから省かれる場合がありますが、下請の場合は、これもやはり五回、それからサプライアアーに渡りまして同じく六回、そうして関税、こういうことになるのです。私が申し上げますのは素地業者で、まず輸出の許可をとつて、そうして関税に渡るときに最後にとる。こういうようなことで足りるのじやないか。