1948-05-25 第2回国会 衆議院 労働委員会 第5号
私の問題は一見非常に部分的な問題なんですけれども、實は今日の政府の失業救濟事業の全般について、ある考えをもつておるとともに、公共事業をめぐる知識階級の失業者救濟の現在の状態、それについて、昨年の八月からお始めになつたのでありますが、その後の状況の概略をまずお尋ねしたいと思います。
私の問題は一見非常に部分的な問題なんですけれども、實は今日の政府の失業救濟事業の全般について、ある考えをもつておるとともに、公共事業をめぐる知識階級の失業者救濟の現在の状態、それについて、昨年の八月からお始めになつたのでありますが、その後の状況の概略をまずお尋ねしたいと思います。
失業者を出さないという單なる消極的な見地からならば、從來でもナチス・ドイツにおいては、一九三二年から一九三三年にわたつて、大規模な失業者救濟制度というものがとられ、完全に失業者が救濟されたことはあります。しかしながらその國家目的は、他國を蹂躙しようという企圖をもつたところの土木工事、あるいは國防工事というものに集中をされた完全雇傭というものができたのであつて、これは嚴密に批判されなければならぬ。
現にわが國の政府においては、失業者救濟の目的で六十億という莫大なる豫算を取つて公共事業を計畫したのでありましたが、それは單なる計畫の作文をつくつたのみであつて、何一つ完全に實施されておらないのであります。私の言うことが間違いでありますれば、政府の方でその反證を示していただきたい。私はあの六十億で公共事業を起し失業者を救濟するという法案は、見透しを過つたと思うのであります。
さらに三十七億圓の豫算で目下實施中の生活保護法も、これまた失業者救濟の意味においてもこれを活用していきたい、大體こういつた構想をもつておるのでございまして、これらの諸施設を行うに、從來のごとく厚生省において行うことはその機能を發揮する上に十分でないと認めまして、政府は別に新しき省をつくつて、思う存分その省において所期の目的を果すために萬全の對策をとりたい。
それから同時に、この緊急對策の中で、當然失業對策としましては積極的に産業計畫を拵えて、そして失業者を吸收しなければならないと考えているのでありますが、政府はそういうような失業者救濟の産業に對して積極的にいかなることを現在計畫されてありますか。その計畫されている事業の内容について御説明を願いたいと思います。