1979-04-24 第87回国会 衆議院 本会議 第20号
天皇支配の国家体制を象徴した一世一元の元号制は、国民主権の原理を掲げる現憲法下で認められる余地はありません。 政府は、この元号法案の今国会における成立を至上命令としてきました。委員会における審議も日程の消化だけが推し進められ、議論が尽くされないまま採決に持ち込まれたのであります。国民の間で意見が大きく分かれている元号法制化問題が、一政党内の派閥の調整に利用されてはなりません。
天皇支配の国家体制を象徴した一世一元の元号制は、国民主権の原理を掲げる現憲法下で認められる余地はありません。 政府は、この元号法案の今国会における成立を至上命令としてきました。委員会における審議も日程の消化だけが推し進められ、議論が尽くされないまま採決に持ち込まれたのであります。国民の間で意見が大きく分かれている元号法制化問題が、一政党内の派閥の調整に利用されてはなりません。
また、二月十一日という日は、かつての紀元節でありますから、これを建国の記念の日とすることは、特に古代における天皇支配の成立を祝うことになります。主権在民の憲法を持つ今日の日本の国民にとって、このような日が国民の祝日としてふさわしいでありましょうか。いま政府の提案している建国記念の日は、はっきり申しますならば、古代天皇制の記念日、あるいは古代的支配体制成立の記念日として意味があるにすぎません。
○内藤誉三郎君 イギリスでは「統治して治せず」ということわざがありますが、私が、日本の国の天皇はさすがに統治して治せずだ、だからいま、あなたが先ほどお話しのように、天皇支配の体制だとおっしゃったけれども、私はそう思っていないのです。天皇はむしろ徳をもって立てられた、仁徳天皇のお話もございますように、徳をもっておやりになったのだと、ですから、ある意味では非常に長く続いたとも言えるのです。
そういうことであって、やはり天皇支配の正当性を強調しようとし、そうしていわゆる時の権力者の政治的意図に出たことは明瞭である。その後紀元節というものがどういうふうに使われてきたか、日清、日露を経て皇室中心主義に結び、第二次大戦中は撃ちてしやまん、八紘一宇の侵略思想と結びついた。今日私どもはそういうことをまざまざと知っておる。