1997-05-30 第140回国会 衆議院 外務委員会 第17号
すなわち、我が方としては、天然資源の恒久主権とか国有化の権利自体については認めるけれども、外国投資に対して、投資受け入れ国が恣意的ないし差別的な措置をとるといった権利の乱用を制限できる条項がなく、外国人資産の国有化、収用、所有権の移転が合法的であるための条件が十分でないということから、今申し上げましたような、憲章採択の際に棄権するという対応をとったわけでございます。
すなわち、我が方としては、天然資源の恒久主権とか国有化の権利自体については認めるけれども、外国投資に対して、投資受け入れ国が恣意的ないし差別的な措置をとるといった権利の乱用を制限できる条項がなく、外国人資産の国有化、収用、所有権の移転が合法的であるための条件が十分でないということから、今申し上げましたような、憲章採択の際に棄権するという対応をとったわけでございます。
これは外国人資産の国有化や収用などの途上国の経済主権を認めた国連の経済権利義務憲章というのがあります。それに反するんじゃないか。この点をこれらの国は問題にするんじゃないかと思うんですが、どうですか。
特に諸国家の経済権利義務憲章の第二章にそのことを指摘しておりますが、同時に、いま国有化の話が出ましたけれども、「外国人資産を国有化し、収用し、又はその所有権を移転すること。但し、その場合には、」ということで、わざわざ「自国の適切な法令及び自国が適当と認める全ての事情を考慮して、妥当な補償を支払わねばならない。」とか、細かいところまでこの分野は指摘をしております。
「外国人資産を国有化し、収用し、またはその所有権を移転すること。ただし、その場合には、自国の適切な法令及び自国が適当と認めるすべての事情を考慮して、妥当な補償を支払わねばならない。補償問題で紛争が生じた場合はいつでも、その紛争は、国有化した国の国内法にもとづき、かつその法廷において解決されなければならない。」以下云々と書かれております。
さらにその(C)項では、特別な場合には「外国人資産を国有化し、収用し、又はその所有権を移転する」という問題が提起されております。ただし、この場合には、いわゆる無償収用ということではなくて、「妥当な補償を支払わねばならない。補償問題で紛争が生じた場合は」、その紛争は当該国すなわち「国有化した国の国内法にもとづき、かつその法廷において解決されなければならない。」
これは復元補償の問題なり財産補償の問題のみでございませんで、いま、外国人資産の請求なり、あるいは土地裁判所に対する訴願のケースがいろいろございますが、それに対しまして、一応アメリカ側として復帰前の段階におきまして処理をしたというものもございます。ただその場合に、請求額と実支払い額との間にかなり大きな開きがあるというものもございますし、ものによりましては、却下されておるというものもございます。