1947-10-01 第1回国会 参議院 治安及び地方制度委員会 第8号
所長は、増井看守…、この問題の増井看守を呼んで、そういうことをお前言つたかどうかということを、囚人の迫つて來ている中で問い質すということは、所長としてまずいことであつたと私は思います。とにかくそれを呼びまして聽取をした。そうしたら暗にそういうことを傳えたというようなことをまあ白状と申しますか。申述べたわけであります。そこで所長は、そうじやないのだ。
所長は、増井看守…、この問題の増井看守を呼んで、そういうことをお前言つたかどうかということを、囚人の迫つて來ている中で問い質すということは、所長としてまずいことであつたと私は思います。とにかくそれを呼びまして聽取をした。そうしたら暗にそういうことを傳えたというようなことをまあ白状と申しますか。申述べたわけであります。そこで所長は、そうじやないのだ。
ところが、それより先に、自由獨歩を許されておるから池谷としては事務所に參りまして、増井義春という昨年の七月に任命されました看守から聽きまして、君も今日は假釋放の認可が來たようである、今日は出られるであろうというようなことを増井看守が池谷に漏した。これがこの事件の直接の原因になつておるようであります。
それに所長は、断じてそんなことはない、それは何かの間違いであろうと申しましたところが、いや増井が言つた、増井を連れて來いということになつて、増井看守が参りますると、言葉を曖昧にいたしましたために—おそらく増井は、その日到着した封筒を見て、それは仮釈放の通知であろうというふうに誤解したために、口をすべらせたのであろうと思いまするが、そのため囚人どもは非常に怒りまして、遂に増井に向つて乱暴をいたしたのであります
増井は言を左右に託したために、ますます激昂をかいまして、先ほど言つたではないか、今はそれを否認するとは何事であるかというようなことから、遂に暴力沙汰に及びまして、増井看守はけがをいたしたのであります。
遂には丁度その当時工場から 作業を終えて出て参りました一般受刑者等もそれに合流いたしまして、或いは椅子を振り上げ、或いは拳骨を振り上げまして、そうして増井看守と野村所長に毆り掛つたのであります。これがために、増井看守は頭部に負傷いたしたのでありますが、更に班長並びに受刑者は殺氣立ちまして、野村所長に対しまして一層詰め寄つて参りました。