1965-03-26 第48回国会 衆議院 外務委員会 第9号
○佐藤内閣総理大臣 この基本条約案についてそこまで議論が進まれたならばよくおわかりだと思いますが、私ども、ただいま大韓民国と交渉いたしておりますが、大韓民国の施政権が及んでないところ、これは考えておりません。及んでいる範囲において話を進めておる、かように御了承いただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 この基本条約案についてそこまで議論が進まれたならばよくおわかりだと思いますが、私ども、ただいま大韓民国と交渉いたしておりますが、大韓民国の施政権が及んでないところ、これは考えておりません。及んでいる範囲において話を進めておる、かように御了承いただきたいと思います。
したがいまして、朴大統領からの親書も持っておいでになりましたが、これは過日の、過般の椎名外相訪問に対して、基本条約案について調印のできたことを喜んでおる手紙でございます。別に詳しい、またこまかなお話などは、きょうは出ておりません。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 基本条約案にイニシアルをいたしましたのは、これは申し上げるまでもなく、事務的な手続にすぎないのでありまして、これが終局的に、法律的に政府を拘束するものではないのであります。一応の締めくくりでございますから、御了承願います。
ただほんの基本条約案というものが仮署名をされた。両国の事務の当局者である日本の外務省のアジア局長と向こうの外務部のアジア局長との間に取りかわされた。これは一応事務的な手続にすぎませんので、法律的に見るとこれは政府を束縛する程度のものではない。ほんの第一段階の程度です。
そのうちで最も煮詰まった基本条約案に対して、向こうが非常な熱意を示したのでございまするので、その話し合いに応じて協議した結果、合意に達したので、一応締めくくりをつける意味においてイニシアルを交換した、こういうのであります。お尋ねの戸叶議員に対しましても「締めくくりというのは、仮調印なりイニシアルということもあり得るということでございますか。」
その点は明瞭でございますが、特にこの際お尋ねしたいと思いますことは、この条約案の中には、大韓民国政府の管轄権、つまり支配している地域、これは国連総会におきましてはいわゆる三十八度線以南となっておりますが、今回の基本条約案には、この管轄権の範囲の問題が明示してございません。これはきわめて重要なことでございまして、将来北朝鮮との関係その他においていろいろ重大な支障を生ずるのではないか、こう考えます。
ただ、全般的に申しまして、先ほど申し上げたようにきわめて友好的な雰囲気のうちに基本条約案のイニシアルをかわす段取りまで運んだというこのいきさつから言いまして、今後この数点に関する話し合いの決着がわりあいに順調に進むのではないかということを考えておる次第であります。
なお、いまの御報告中に、親善訪問であったけれども日韓両国の諸懸案についても隔意のない意見の交換をしたということでございましたが、その結果、ただいま御報告になりました両国基本条約案の仮調印という問題も起こったのでありますが、総じて、今度訪韓された結果において、今後の日韓会談の見通し、その交渉妥結の時期というものについての見通し等についての御意見を承りたいと思っております。